弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます⑤
【参考】
弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます①
弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます②
弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます③
弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます④
サラリーマンには異動がつきもの
その点、営業担当者の方には無理を聞いてもらうことがあるので、百貨店社員と営業担当者の方は密に連絡を取り合うこととなります。しかし、サラリーマンの宿命である異動が当然にあります。百貨店社員の側も営業担当者の方も、異動により担当を交代していくこととなります。
「異動」について改めて確認してみる
法律的には「配転」と言い、“従業員の配置の転換であって、職務内容又は勤務場所が相当の長期間にわたって変更されるもの”のことです。「配転」を命じることができるかは、労働契約の内容となっているかから判断されます。
通常であれば、就業規則に「就業の場所又は従事する業務の変更を命じることができる」と定められています。よって、労働契約法7条という法律により、労働契約の内容となることとなります。その結果、「配転」が行われることとなります。
では、「配転」は、どんな異動先でも命じることができるのでしょうか。
判例は、
- 業務上の必要性が存在しない場合
- 業務上の必要性が存在する場合でも、他の不当な動機目的のために行われた場合
- 労働者に、通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせる場合
のような特段の事情がある場合は、「配転命令権」の濫用として無効となるとしています。
では、いわゆる単身赴任がこの条件を満たすか具体的に考えてみると、
①②日本においては総合職社員について、ジェネラリスト型の能力が求められます。すると多様な職種を経験することは、社員にとって必要なこととなります。
③日本において単身赴任が一般的に許容されていることや、単身赴任手当などが整備さえていることを考えると、単身赴任が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益とは認められません。
よって、特段の事情がなく、単身赴任を命ずる「配転命令」は有効となります。
最後に
個人の方からは、法律相談だけでなくインテリアの相談も是非ともお待ちしております。また、家具販売店や問屋の経営者の方で、家具の実務を知っている弁護士に相談したいという方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。
※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。
執筆: 弁護士 根來真一郎