弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます②

最終更新日: 2018年10月09日

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執筆: 弁護士 根來真一郎

私は、株式会社三越に勤務していた当時、家具の販売や仕入れを担当していました。弁護士でありインテリアコーディネーターでもある私が、インテリアと関連する法律問題について少しだけ話してみるという記事の第2弾です。

【参考】
弁護士がインテリアについて少しだけ話してみます①

催事は一晩で準備する!? 一夜替えの話

百貨店の広告をチェックしている方ですと、「家具インテリアバーゲン」のチラシが入っているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。「家具インテリアバーゲン」のような催事が百貨店で行われる場合、様々なメーカーが一気に家具類を搬入します。そのため、通常は搬入日を1日設け、商品の搬入や会場の設営や装飾を施します。ただし、搬入日を1日設けるということは、1日分の売上を失うこととなります。そのため、売上達成のためには、その他の日の予算が大きく設定されることとなります。

そこで、百貨店によっては「一夜替え」として、百貨店閉店後に搬入作業を行い、その日のうちに搬入作業を終えるということを行うことがあります。しかし、インテリアという担当者のこだわりが強い分野であるだけに、細部まで手を加えるため、時間がとにかくかかることとなります。終電までに帰宅することができれば、「今日は無事に終わった」と一安心なところです。

固定残業代について改めて確認します

終電までに帰宅することができてよかったと一安心できたのもつかの間、このような作業は多くの残業代が発生していることになります。中には、固定残業代を採用している会社も多くあると思います。サラリーマンの方であれば、「うちは固定残業代だから」と思い、経営者の方は「うちは固定残業代払っているから」と安心しているかもしれません。
しかし、固定残業代が認められるためには、

  1. 就業規則に明記すること
  2. 通常の賃金と区別され、割増賃金に相当するものとして支払われること
  3. 法定額を下回る場合には差額が支払われること
  4. 等が必要とされています。

最後に

固定残業代制度が正しく運用されているかは、事案によって結論は異なります。お気軽に弁護士までご相談ください。

個人の方からは、法律相談だけでなくインテリアの相談も是非ともお待ちしております。また、家具販売店や問屋の経営者の方で、家具の実務を知っている弁護士に相談したいという方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。

執筆: 弁護士 根來真一郎