戸籍調査の方法

投稿日: 2018年06月04日

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一般の方にはわかりにくい戸籍の記載

戸籍の調査は、相続の際に、相続人の範囲を確定するために必要なものです。戸籍には、いろいろな情報が記載されていますが、どこをどう見ればいいのか分からないのが普通だと思います。たとえば、相続関係図を作りたいと思っても、適切に戸籍を調査できなければ、相続関係図を作成することはできません。そこで、今回は、戸籍を見る際のポイントをいくつかあげたいと思います。

ポイント①:戸籍に記載されている用語や制度を理解すること

(1)入籍・除籍

まず、記載されている用語の意味が理解できる必要があります。基本的な用語として、入籍・除籍の意味を理解しておく必要があります。

入籍とは、戸籍に入ること。除籍とは、戸籍から除かれることを意味します。
具体的には、入籍原因としては、出生、婚姻、養子縁組などが考えられます。
また、除籍原因としては、婚姻、離婚、養子縁組、死亡、転籍などが考えられます。

(2)編製・消除

編製とは、戸籍が新たに作成されたことを意味します。なので、編製と記載があれば、この時期から新たに戸籍が作成されたのだなと考えればいいです。戸籍が新たに作られる場合としては、戦前の家督相続制度の時代であれば、戸主の交代の場合や分家の場合、戸籍の改製の場合、転籍の場合などがありました。現行の相続制度のもとでは、婚姻、他の市町村からの転籍、分籍、戸籍の改製などの事情によって戸籍が新たに作成されることが考えられます。

消除とは、戸籍の改製や全員の除籍により、戸籍が閉鎖された状態を意味します。改製により消除された戸籍は「改製原戸籍」として保管され、戸籍に記載されている全員が死亡などにより除籍された場合は、「除籍謄本」として保管されています。

(3)戸籍制度の歴史

古い戸籍を読み解くには、戸籍制度・相続制度の変遷について理解しておく必要があります。先ほど「家督相続」というワードを出しましたが、この家督相続制度とは、戦前の時代に家制度を前提として、戸主(家の代表者)の死亡により、相続が発生し、原則的にはその家の長男が家(すべての相続財産)を引き継ぐという制度でした。

現在の相続制度は、死亡により相続が発生し、原則的には、法定相続人(配偶者や子供など)がその財産を相続するので、昔の家督相続時代と大きく違いますよね。
戸籍制度は、家督相続制度から現行の相続制度の移行に伴う編製、コンピュータ化に伴う編製などを経て現在の戸籍制度があるのだということを理解しておく必要があります。

ポイント②:いつからいつの戸籍かを理解すること

上述の説明の通り、戸籍は幾度も編製を重ねて現在に至ります。なので、戸籍を読む際は、戸籍が示している情報はいつからいつまでの情報なのかを正確に読み解く必要があります。たとえば、戸籍を取得した際に漏れがあったとします。もしかすると、その期間に出産、養子縁組、認知など様々な身分関係の変動が生じている可能性があります。そうなると、相続人の範囲が変わってくる可能性もあるので、戸籍の調査をする際は、漏れがないようにすることが重要です。必ず被相続人の出生から死亡までの戸籍を取るようにしてください。

戸籍の情報がいつからいつなのかを知るためには、家督相続制度時代の場合は、「戸主」の上段の家督相続届出により受付をした時期に戸籍が作成されたことが分かります。対して、戸籍が終了した時期は、戸主の上段の「消除」の時期を見れば、いつまでの戸籍なのかがわかります。

また、戦後(コンピュータ化される前)の戸籍は、本籍の隣の欄に「●年●月●日編製」などと記載されており、いつからの戸籍なのかわかります。また、本籍の隣の欄外のところを見ると、「●年●月●日消除」と記載されており、いつ戸籍が閉じたのかもわかります。コンピュータ化された現在の戸籍(手書きでない戸籍)は「戸籍事項」【改製日】●月●日と記載があるので、いつからの戸籍かわかります。

以上のように、戸籍には落とせない読み方のポイントがあります。上の説明は、戸籍の読み方の一部に過ぎません。間違いなく相続人の範囲を確定させたい時などは、ぜひ相続の専門家である弁護士にお任せください。