弁護士がよく使う言葉

最終更新日: 2019年10月21日

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執筆: 弁護士 前原彩

こんにちは。そろそろ暑さもようやくおさまり、活動しやすい時期になってきましたね。
前文とは全く関係ないのですが、今日のブログは、私がかねてからみなさんにぜひご紹介したいと思っていた「弁護士がよく使う言葉」を紹介したいと思います。

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、法律用語というのはかなり独特で、1回聞いただけではよくわからない言葉が多いです。

私は法学部出身ですが、最初に受けた民法の授業では教授が日本語をしゃべっているにもかかわらず何を言っているのか本当に理解できず「とんでもない学部に来てしまった~ひぃ~」と思ったのを今でも覚えています。

弁護士たちの会話でよく出る言葉

片面的(へんめんてき)

弁護士がよく使うけど世間になじみのない言葉栄えある1位は「片面的」です。
片面的というのは、一方当事者だけ思っていて、両当事者の共通意思ではないことを言います。この順位と解釈は私独自のものなので、他の弁護士も必ずそう思っているわけではないことはご容赦ください。けど、私はダントツこの片面的が1位だと思います。

使用例:A「あの人かねてから思いを寄せてた人に振られたらしいよ。」
    B「あー片面的だったんだ。」

善意(ぜんい)・悪意(あくい)

え?これってあれでしょ?とお思いの皆さん。たしかに善意・悪意という言葉は世間でよく用いられている言葉ですよね。
善意とは、物事や人に対し良い感情のことを言いますし、悪意とはその逆で、物事や人に対する悪い感情のことを言いますよね。
しかし法律用語としての善意・悪意はちょっと違います。
善意とは「知らない」ということを意味し、悪意とは「知っている」ということを意味します。

使用例:A「盗まれたものとは知らずに財布買っちゃったよ!」
    B「あー善意だったんだ」

差し支え(さしつかえ)

「差し支えなければ~」というのは普段から良く聞く表現ですね。
「差し支え」というのは支障があるというような意味合いですが、弁護士業界だとこれはスケジュールを聞かれて都合が合わないときに「差し支えです」といって返答したりします。お客様にはこういった言い方はしないですが、裁判所ではよく使います。

使用例:A「次回の裁判、○月○日はどうですか?」
    B「その日は差し支えです」

最初こういった言葉を聞いたとき、「普通に言え~!」と思いましたが今では日常的にそういった言葉を使っている自分がいることに驚きです。
弁護士同士の会話をよーく聞いてみると面白いと思います。ぜひ。

執筆: 弁護士 前原彩