今のところ負け知らずの特技
私の負け知らずの特技
私は小学生時代から断続的に剣道をやっています。大学時代も剣道部に所属して、段位は二段まで取得しました。
ただ持ち前の運動神経の鈍さのためか、小学校〜大学まで試合ではほとんど勝ったことがありません。私が負け知らずなのは剣道そのものではなく、立ち合いで気合いを入れるときのその声量です。
剣道では打撃の前に「ヤー」と叫んで気合を入れ、「メーン」などという部位の発声とともに打撃しなければなりません。私は特になんの訓練もしていないのですが、この発声がとにかく大きいです。文字通り負け知らずです。
試合場が6面ある会場でも、私の場所は声ですぐわかると言われていました。大声量の「ヤー!」でしっかり会場の注目を集めた上で瞬殺されるという技もよく繰り出していました。
もちろん男性陣にもこの声量だけでは負けたことがありません。
個性が出る、剣道の発声
余談ですが、剣道の発声についてみんな最初は「ヤー」と習うのですが、時が経つにつれてその人独自のものに進化していくことがあります。60代70代の大先輩方にもなると「タァ!メンは、メンはぁ〜〜っとぉ!」「さあ〜〜〜こいこいこいこい」とバリエーション豊かです。剣道を観戦するときは発声の個性も楽しんでみてください。
役に立たない?
ただ、この特技ですが実質的に役立ったことがありません。剣道の掛け声についても、まあ小さいよりは大きいほうがいいでしょうが、大きければ大きいほどいいというものでもありません。
声援の件についても声量が勝敗に影響したかどうかは甚だ疑問ですし、何なら味方も動揺させていた可能性があります。
法廷で逆転裁判のように相手を指差して「異議あり!!」と大声で叫ぶこともありません(普通の声量で言います。あと指差しもしません。)。
千葉県弁護士会の大声大会でもあればかなり良いところまで行くと思うのですが、そんな都合のいい大会もありません。
思い出せるお役立ち経験といえば、声が大きいと頑張っている感が出るので、試合中に見ず知らずのマダムがめちゃくちゃ応援してくれたことくらいでしょうか。
役に立たないこともない!
このように使い道のない特技だったのですが、最近はちょっと活かす道が見つかりました。ストレス解消にカラオケで大声で叫ぶことです。音程無視で、ものすごい大声を出してイエローモンキーやMr.Childrenをわあわあ叫ぶとかなりスッキリします。もしかしてストレス社会に生きる現代人にとっては良い特技なんじゃないかという気すらしてきました。
どんな特技でも使い道があるものだなと思います。
私には他にも「いっこく堂の声が遅れて聞こえるアレができる」という特技があるので、こちらの方の使い道も積極的に探していきたいと思います。
執筆: 弁護士 辻佐和子