民法改正~法定利率の改正~

最終更新日: 2020年06月04日

カテゴリ:

執筆: 弁護士 辻悠祐

改正前の民法では、法定利率は年5%とされていました。
現代社会では、銀行に預けてもほとんど利息がつかないこのご時世で、年5%は異常な利率ですよね。
そこで、法律と実態を少しでも合わせるため、民法は以下のように改正されました。

(法定利率)
第四百四条  利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、その利息が生じた最初の時点における法定利率による。
2  法定利率は、年三パーセントとする。
3  前項の規定にかかわらず、法定利率は、法務省令で定めるところにより、三年を一期とし、一期ごとに、次項の規定により変動するものとする。
4  各期における法定利率は、この項の規定により法定利率に変動があった期のうち直近のもの(以下この項において「直近変動期」という。)における基準割合と当期における基準割合との差に相当する割合(その割合に一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)を直近変動期における法定利率に加算し、又は減算した割合とする。
5  前項に規定する「基準割合」とは、法務省令で定めるところにより、各期の初日の属する年の六年前の年の一月から前々年の十二月までの各月における短期貸付けの平均利率(当該各月において銀行が新たに行った貸付け(貸付期間が一年未満のものに限る。)に係る利率の平均をいう。)の合計を六十で除して計算した割合(その割合に〇・一パーセント未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)として法務大臣が告示するものをいう。

色々複雑な条文になっていますが、簡単に説明すると、法定利率は年5%から年3%に変更します、法定利率は3年に一度市場金利を考慮のうえで修正していきますということです。
このような変動制の利率にすると、金利の計算が複雑になってくることが想定されます。そこで、利率の決定時点について、「その利息が生じた最初の時点における法定利率による。」として、基準時点を定めて計算を容易にするような工夫がなされています。
法定利率の年3%という数値は市場金利と比較してまだ高い水準と思われるので、3年に一度の見直しが複数回行われることで、これからどんどん低下していくかもしれませんね。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。

執筆: 弁護士 辻悠祐