弁護士になるまでの道のり

最終更新日: 2018年03月30日

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執筆: 弁護士 村岡つばさ

本日は、弁護士になるまでの道のりを書いてみたいと思います。

1 弁護士を志したきっかけ

小学6年生くらいの頃、「ビギナー」というテレビドラマを見て、弁護士という職業に興味を持ちました。

弁護士という職業

女優のミムラさんが主演の、弁護士や検察官、裁判官になる前の「司法修習生」を描いたドラマでした。法律を盾に弱者を守る、弁護士という職業が、非常に魅力的に見え、漠然と弁護士に憧れを抱くようになりました。

2 大学・大学院時代

⑴大学時代

弁護士という職業への憧れから、早稲田大学の法学部に進学しました。
大学2年生の後半から、本格的に司法試験を目指して勉強を始めました。司法試験に合格するまで、かれこれ5年間くらいはずっと法律を勉強していたことになります。振り返ってみると長い期間ですね…。
司法試験を受けるためには、予備試験という試験に合格するか、法科大学院(ロースクール)を卒業する必要があります。予備試験は合格率3%程度と非常に難しい試験だったので、自分は法科大学院に進学することを決めました。

⑵大学院時代

大学卒業後は、慶應義塾大学の法科大学院に進学しました。
法科大学院は、3年間で卒業する未修者コースと、2年間で卒業する既修者コースの2つのコースがあります。自分は既修者コースで入学しました。
朝9時には学校に行き、夜の11時に自習室を出るという感じの毎日でした。今思うとなかなかしんどい日々を送っていました。

3 司法試験

司法試験は、8科目の論文式試験と、3科目の短答式試験(マーク式試験)から成り立っています。全部の科目をまんべんなく勉強するのが非常に大変でした。
知り合いからは、「六法を全部覚えたの?」とか「条文全部言えるの?」とか聞かれましたが、それは不可能です。。。
5月に試験があり、9月に合格発表があります。その間の4か月間は、発表までの緊張感と、勉強から解放された嬉しさで、妙に落ち着かない日々を過ごしていました。

4 司法修習・二回試験

⑴司法修習

司法試験に合格してすぐに弁護士になれるわけではなく、1年間、研修を行う必要があります。これが司法修習と呼ばれるものです。
司法修習は、①1か月間の導入修習(埼玉県の和光市で行われます)、②9か月間の実務修習(47都道府県各地で行われます)、③2か月間の集合修習(これも埼玉県の和光市で行われます)の3つのクールがあります。
②の実務修習では、弁護士、検察官、裁判官のそれぞれの仕事を、内部から見ることができます。検察修習では、実際に被疑者の取調べを行いますし、裁判修習では、実際の事件を基に判決文の起案等を行います。
実務修習を行う場所は希望を出すことができます。私は、希望通り仙台で実務修習を行うことができました。仙台での修習中は、もちろん法律の勉強もしていましたが、裁判官の方々と釣りに行ったり、修習生で旅行に行ったりと、公私にわたり充実した日々を送っていました。

⑵二回試験

楽しかった修習の最後には、二回試験という最後の砦があります。この試験に合格できないと、弁護士になることはできないのです。
二回試験は、5日間で37時間30分(1日7時間30分×5日間)、延々と論文を書き続ける、耐久レースのような試験です。しかも、一科目でも不合格になると来年まで試験を受けられない(=1年間弁護士になれない)という、何とも酷な試験です。
何とか二回試験を乗り切り、無事に弁護士になることができました。

5 振り返ってみて

こうやって振り返ってみると、しんどかった記憶が色々と思い返されます…が、ともに切磋琢磨できる仲間に多く出会えたことや、良いことも沢山ありました!
ひょんなことから千葉で弁護士をやることになり、交通事故、中小企業法務、借金、相続、刑事事件等々…様々な分野の案件に接してきましたが、実務に出てからも毎日勉強の日々です。
依頼者様にとって最善の解決を実現できるよう、これからも日々鍛錬を続けていきたいと思います。
次回はちゃんと法律問題のブログを書く予定です!笑

執筆: 弁護士 村岡つばさ