ペット訴訟の急増

最終更新日: 2018年04月02日

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執筆: 弁護士 松本達也

先日、ペット訴訟が急増しており、裁判所が認める慰謝料の金額も増額傾向にあるという新聞記事がありました。
そこで今日は、ペット訴訟についてブログを書いていこうと思います。

1 ペット訴訟で認められる賠償とはどのようなものなのか。

例えば、相手の運転手に100%の過失がある交通事故でペットが死亡してしまったケースについて考えてみます。ペットの飼い主は、運転手に対して、ペットを殺されたことについて、不法行為に基づく損害賠償(民法709条)を請求することになると思います。
この場合に、飼い主が請求しうる損害賠償の費目としては、一般的に①ペット自身の損害、②飼い主の精神的損害に対する損害(慰謝料)が、考えられます。

① ペット自身の損害について

法律上、ペットは「物」というくくりになってしまいます。そのため、ペットが死亡させられてしまった場合には、その当時のペットの時価相当額が損害賠償として認められます。ペットの苦しみについては現在損害として認められていません。

② 飼い主の精神的損害について

では、ペットを殺された飼い主の方の精神的損害はどう考えればよいのでしょうか。
20年前くらいですと、愛犬を殺されてしまった飼い主の慰謝料は3~4万円程度しか認められていませんでした。
しかし、最近の一例ですと、飼い主の精神的損害として50万円の慰謝料を認めた裁判例が出ており、ペットの慰謝料は増額傾向にあります。まだまだ少ないとは思いますが、これは、家族同然の存在であるペットの価値が裁判所にようやく認められてきた結果であると思います。

2 ペット訴訟の今後

最近では、ペットショップや動物病院を相手に訴訟が提起こされることも多くなってきました。ペットの裁判上での地位が向上してきていることによってペットに関する訴訟は増えていくと思われます。
先日、動物病院に行った際に、獣医さんの説明が普通の病院よりもさらに丁寧で驚きました。
会話でコミュニケーションをとることのできないペットだからこそ、飼い主と獣医さんがしっかりと治療の方針やリスクについて共通の認識を持つことが大切なんだと実感しました。
私も今後は、わからないことはなんでも獣医さんにその場で確認し、獣医さんとしっかりとコミュニケーションをとりたいと思います。

*現在、ペットに関するご相談は当事務所ではお取扱いしていませんのでご了承ください。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。

執筆: 弁護士 松本達也