弁護士がよく使う言葉
1. 法律用語は特殊
今回のコラムは、私がかねてから皆様にぜひご紹介したいと思っていた「弁護士がよく使う言葉」です。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、法律用語というのはかなり独特で、一回聞いただけではよくわからない言葉が多いです。
私は法学部出身です。しかし、最初に受けた民法の授業では、教授が日本語を話しているにもかかわらず、何を言っているのか本当に理解できませんでした。
「とんでもない学部に来てしまった」と思ったのを今でも覚えています。

2. 片面的(へんめんてき)
弁護士がよく使うものの、世間にあまり馴染みのない言葉の第1位は「片面的」です。
片面的というのは、一方の当事者だけがそう考えており、双方の共通の意思ではない状態などのことを言います。
この順位と解釈は私独自のものなので、他の弁護士も必ずそう思っているわけではないことはご容赦ください。しかし、私はこの「片面的」が間違いなく第1位だと思います。
例としては次のようなパターンです。
Bさん:「あー、片面的だったんだ。」
3. 善意(ぜんい)と悪意(あくい)
善意と悪意は世間でもよく用いられている言葉です。
一般的には、善意とは物事や人に対する良い感情のことを言います。一方、悪意とはその逆で、物事や人に対する悪い感情のことを言います。
しかし、法律用語としての善意・悪意は違います。
善意とは「知らない」こと、悪意とは「知っている」ことを意味します。
例としては次のようなパターンです。
Bさん:「あー、善意だったんだ」
4. 差し支え(さしつかえ)
「差し支えなければ」というのは普段からよく耳にする表現です。一般的に「差し支え」単体では、「支障がある」というような意味合いです。
弁護士業界では、スケジュールを確認されて都合が合わないときに「差し支えです」と返答します。お客様にはこのような言い方はしませんが、裁判所ではよく使います。
例としては次のようなパターンです。
Bさん:「その日は差し支えです」
最初こういった言葉を聞いたとき、「普通に言えばいいのに!」と思いましたが、経験を重ねた今では、日常的にそういった言葉を使っている自分自身に驚いています。
執筆: 弁護士 前原彩