事業承継って何?

最終更新日: 2018年07月02日

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執筆: 弁護士 松本達也

先日、事業承継についてのセミナー講師をさせていただきました。そこで今日は、最近話題の事業承継について簡単に解説させていただきます。

1 事業承継とは

そもそも事業承継とは、事業(人、資産、知的財産)を引き継がせることを言います。そして、事業の引継ぎの相手としては、①親族、②親族以外(従業員)、③第三者、があります。

引継ぎの相手として、どの相手を選ぶかは①、②、③いずれもメリットデメリットがあります。

簡単にご紹介すると、①親族に引き継ぐ場合は、関係者の理解は得やすい傾向にあり、相続という手続きを最大限に活用できます。一方で、家業を継ぎたいと子供が言うとは限らないことや、相続でもめると影響を受けやすいということがデメリットとして挙げられます。

次に②従業員に引き継ぐ場合は、関係者の理解は得やすい一方で、承継の資金の負担が従業員に重くのしかかるというデメリットがあります。

最後に③第三者に引き継ぐ場合(M&A)は、承継希望者がいない場合でも事業の継続が可能である一方で、引き継いでくれる第三者を探すのが大変で、手続きが難しいというデメリットがあります。

2 最近の問題

親族にも、従業員にも引き継ぐ人がいない場合にどう事業を承継するのかということが、近年大きな社会問題となっています。

今までは、引き継ぐ人がいないから事業が継続できず、廃業するという選択肢をとる会社が多かったです。しかし最近は、廃業するのであれば、第三者に売ってしまう(いわゆるM&A)という選択をする会社が増えています。

M&Aによる事業承継を行うには、会社に魅力があることと、相手を見つけることが必要です。

M&Aは会社をお金に評価して売るわけですから、会社に魅力がないと買い手がなかなか見つからなかったり、見つかったとしても安く買いたたかれてしまいます。そこで大切なのは、十分な時間をかけてゆっくりと事業承継に向けた準備をして会社の魅力を高めることです。

では相手をどう探すかという点ですが、実は、事業引継ぎ支援センターという、会社を売りたい人と買いたい人をマッチングさせるセンターがあります!!

こちらのセンターは、申請をすれば事業承継に関する相談に乗ってくれるだけでなく、引継ぎ相手を探すお手伝いもしてくれます。

3 最後に

M&Aと聞くととてもむずかしいことのように感じますが、最近はサポートの体制が徐々に整ってきています。後継者に承継のバトンを渡していけるように、当事務所としても全力でサポートさせていただきます。

以上、最近話題の事業承継についてでした。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。

執筆: 弁護士 松本達也