弁護士が歯根破折の治療に取り組んでいます:歯根破折と歯の後遺障害

最終更新日: 2024年07月17日

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執筆: 弁護士 根來真一郎

歯根破折の治療

こんにちは、弁護士の根來(ねごろ)です。

私は、突然何の前触れもなく、奥歯の歯根破折の治療に取り組むこととなりました。

今回は、歯根破折治療の報告をするとともに、交通事故における歯の後遺障害を説明します。

歯根破折の経緯

歯根破折とは、歯の根の部分にひびが入ったり、割れてしまった状態のことです。

歯科医の先生に相談

ある日、私は奥歯に痛みや違和感を感じました。歯根破折とはわからず、激しい痛みもなかったことから、私はしばらく歯にはなんの異常もないと言い聞かせ、歯のことは忘れようと過ごしていました。

しかし、いつしか忘れるわけにはいかない痛みや違和感を感じるようになり、親不知でも生えてきたかなと思って、歯科医の先生に相談することとなりました。

歯根破折が発覚

歯科医の先生からは「そこ親不知抜いたはずだよ??」とのことで、検査をしたところ、歯根破折が発覚しました。
 
歯根破折してしまうと、抜歯が一般的な治療とのことでした。そのため、奥歯がなくなってしまうのかとかなりのショックを受けます。

幸いにも抜歯は回避

ただ、幸いなことに歯を保存できる歯根破折だったようで、歯科医の先生に腕を振るっていただき、抜歯は回避することができました。

その結果、私の奥歯は無事に残すことができました。

歯がなくなるかもしれないというショックを改めて実感

交通事故を多く扱っていると、歯に関する後遺障害のご相談を多くいただきます。

交通事故の被害者の方々は、この歯がなくなるというショックを乗り越えてご相談にいらしていただいていると思うと、改めて身が引き締まる思いがしました。

歯の後遺障害

ここで、交通事故で歯に後遺障害が残ってしまった場合について説明します。

1. 歯の後遺障害

歯の後遺障害は、補綴(ほてつ)を行った程度によって5段階に区別して後遺障害の等級が定められています。

補綴(ほてつ)とは、歯の欠損部を金属等の人工物で修復し機能を回復させることです。

5段階の後遺障害等級は下記のように定められています。

  • 14歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(10級4号)
  • 10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(11級4号)
  • 7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(12級3号)
  • 5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(13級5号)
  • 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの(14級2号)

2. 歯の後遺障害診断書

交通事故で歯の欠損が生じてしまった場合、歯科医で治療を行います。治療に一区切りがつき、症状固定となって後遺障害の申請をする場合、後遺障害診断書を作成することは整形外科等の場合と同様です。

ただし、歯の後遺障害では、歯科用の後遺障害診断書が使用します。通常の後遺障害診断書とは異なりますので要注意です。

歯科用の後遺障害診断書は、事故前や事故後の歯の各部位について状況を詳細に記載できるような歯科専用の書式になっています。
 
なお、後遺障害診断書を作成して後遺障害の申請をする手順は、他のけがと同様です。

最後に

歯の後遺障害は、収入に影響がないため逸失利益が0となることがあります。

歯の後遺障害にかかわる逸失利益は専門的な判断が必要です。歯の後遺障害について悩まれていらっしゃいましたら、交通事故に詳しい弁護士への相談をおすすめします。当事務所にご相談いただければ、解決のために全力を尽くします。

執筆: 弁護士 根來真一郎