秘密録音のヒ・ミ・ツ
1. 秘密録音とは?
秘密録音とは、会話を勝手に録音することです。
難しく言うと、会話の一方当事者が、会話の相手方の同意を得ずに、当該会話を録音することです。ちなみに、法律上、秘密録音の定義があるわけではなく、あくまでも一般的に言われている定義です。
ここでいう秘密録音は、①会話の当事者が録音すること、②民事事件での話を念頭に置いています。会話の当事者以外の第三者が当該会話を録音することや、刑事裁判における秘密録音の証拠能力は、法的な扱いが異なりますのでご注意ください。
2. 秘密録音は違法?
秘密録音は原則として違法ではありません。
秘密録音をすること自体は原則として法律に違反しませんし、もちろん犯罪にもなりません。
3. 秘密録音は裁判で証拠にできる?
秘密録音をすることが違法にならないとして、秘密録音したデータを民事裁判で証拠として使えるでしょうか?
答えは、「原則としてできる」です。
過去の裁判例においても、秘密録音を証拠として使えるか争われたものがありますが、裁判所は次のとおり、反社会的な方法で採集したものでなければ証拠として使うことができるとしました(東京高等裁判所昭和52年7月15日判決)。
そして話者の同意なくしてなされた録音テープは、通常話者の一般的人格権の侵害となり得ることは明らかであるから、その録音の手段方法が著しく反社会的と認められるか否かを基準とすべき…。
4. 録音データの有効性:自分の身を守るために
世間では、秘密録音したものを証拠として使うことができないと思われている方も多いです。
以前、担当した調停事件において、こちらが秘密録音したデータを証拠として出そうとしたときに、調停委員から「秘密録音したものは証拠として使えないでしょう」と言われたこともあります。
当然、弁護士として強く反論しました。
会話が録音されたデータは、「言った。言わない」の水掛け論を防ぐものとしてとても有用です。必要に応じて録音をご検討ください。
執筆: 弁護士 前原彩