ペットの肖像権

最終更新日: 2018年07月11日

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執筆: 弁護士 松本達也

先日、友人から飼っているペットの写真を無断で撮影されSNSにアップされたという話を聞きました。街を歩いていたら、可愛いワンちゃんがいて思わず写真を撮ってSNSにアップした経験があるなんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今日は、ペットを無断で写真撮影することに法律上の問題点があるのかを考えてみたいと思います。

(1)肖像権とは

肖像権とは、自己の容貌や姿態を写真、絵画、彫刻などにされたり、利用されることのない権利を言い、人格権ないし、プライバシー権の一種とされています。

人には、肖像権が認められているため、街中を歩いている人の写真を勝手にとれば、肖像権違反として問題になる可能性があります。

(2)ペットにも認められるのか

ではペットはどうでしょうか。
結論から言いますと、残念ながらペットに肖像権は認められません。ペットは法律上「物」として扱われてしまい、人格権ないし、プライバシー権は「人」にしか認められない権利だからです。

とすると無断で写真を撮られた上に、SNS上にアップされた側としては、納得がいきませんが、勝手に写真を撮る行為はマナー違反ではあるものの、法律に違反する違法な行為とは言い難いと言えます。

(3)その他の問題点

もっとも、ペットの写真を撮ってその写真にどこの家かわかるような個人情報が写っている場合は、別途、人のプライバシー権の侵害の可能性があります。

また、ペットの写真を無断でSNSに転載した場合は、そのペットの写真が著作物としての保護を受けるということになれば、著作権の侵害という可能性もあります。

(4) 最後に

最近は、SNSの発達で写真と接する機会が増えました。しかし、写真の利用や撮影には思わぬ落とし穴が潜んでいるかもしれません。
皆さんもSNSに写真をアップする際には気をつけてください。

なお、写真をSNSに載せられてしまった友人は、その方にすぐに連絡して削除してもらえたそうです。現在は、昔よりもペットの裁判上の保護が手厚くなってきているように思えます。いつかペットにも肖像権類似の権利が認められる時代がくるかもしれません。

いずれにしてもペットの写真を撮るときでも、やはり一言断ってから載せるようにした方がよさそうです。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。

執筆: 弁護士 松本達也