交通事故被害の経験

最終更新日: 2018年11月05日

カテゴリ:

執筆: 弁護士 村岡つばさ

皆様こんにちは。
千葉事務所の弁護士の村岡です。
私の取り扱っている案件は、交通事故(被害者側)、中小企業法務(会社側)、借金問題が多いのですが、特に交通事故案件においては、自分の実体験が、仕事にも活かされています。というのも、私自身、小さい頃に交通事故の被害に遭ったことがあるのです。

1 どんな事故だったか?

小学2年生の頃、自転車を走行している際に、乗用車にはねられる事故に遭いました。
青信号で横断歩道を渡った際に、手前から左折してきた車両に巻き込まれる形ではねられました。事故に遭った直後は何が起こったのかわからず、気づいたら5メートル程飛ばされており、身体が全く動きませんでした。
ちょうど私の前を母が自転車で走行していたので、真っ青な顔で母が駆け寄ってきたのを今でも覚えています。
すぐに救急車で搬送されて、2か月~3か月程入院しました。右脚の大腿骨の骨折だったと思いますが、何度も手術を行い、非常に辛い期間を過ごしたのを覚えています。

2 交通事故被害に遭って思ったこと

⑴ 身体の不安

最初に感じたのは、事故に遭う前の身体に戻ることができるのか?一生歩くことができず、大好きなスポーツもできなくなるのでは?という不安でした。若かった+骨が丈夫だったこともあり、幸いにも後遺症は残りませんでしたが、その当時やっていた習い事(スイミング、空手、テニス)はすべて辞めることとなりました。

⑵ 加害者(側)への不信感等

この部分は記憶が曖昧なのですが、何でこんなつらい思いをしなければいけないのか(事故の遭ったのは夏休みに入る直前でした)?という怒りと、加害者の方と十分に接触する機会がなく、漠然とした不信感(というよりもモヤモヤとした気持ち)があったのを覚えています。ただ、実際には、保険会社か、自分の両親から接触を止められていたのかもしれません。
自分の事故で、両親、兄にも大変な思いをさせてしまったので、怒りやモヤモヤといった気持ちが、徐々に自分が悪いのでは?という気持ちに変わっていったのを覚えています。

3 被害に遭って良かったこと

⑴ 周りの人の優しさに気づいた

まず、周りの人の優しさに気づかされました。手術やリハビリは本当に辛く、本当に嫌だったのですが、家族、友達、病院の方々の支えもあり、何とか耐えられました。子供心ながらに、支えてくれた人々への感謝の気持ちでいっぱいでした。

⑵ 車の動き等を非常に注意するようになった

事故に遭ってから、非常に慎重に道を歩くようになりました。笑
青信号で歩道を渡る際も、車の動きに最大限の注意を払いながら渡っています。
ちなみに、事故に遭ってから自転車にはほぼ乗れていませんが、3年前くらいにようやく苦手意識を克服し、乗れるようになりました。

⑶ 被害者の方の気持ちを(ある程度)理解できること

こうして弁護士になり、交通事故案件を扱ってみると、当時の自分と同じような悩みを抱えている方が多く存在することが、身をもって分かりました。「今後、この症状が一生残ってしまうのではないかと不安です」「加害者側(保険会社)の誠意が感じられない」「事故に遭ってから、車が怖くて運転できない」といった話を聞くたびに、「その気持ち、分かります!」と(心の中で)声を大にしています。
これからも、被害者の方のお気持ちに寄り添いながら、交通事故案件を扱っていきたいと思います。

執筆: 弁護士 村岡つばさ