すぐ読めて心温まるクリスマスの名作5選
1. クリスマスの名作をご紹介
12月に入り、千葉や柏のイルミネーションも本格的になり、クリスマスが間近です!
家族や友人と一緒にマライア・キャリーを流しながらケーキとチキンを囲むのも最高ですが、一人しっとりとクリスマス気分に浸りたいこともあると思います。そんなときにぴったりの作品を、(ネタバレになりすぎないように気を付けながら)ご紹介します。
2. 「サンタクロースっているんでしょうか?」
今から120年以上前の1897年、ニューヨークのサン新聞社に8歳の女の子バージニアから1通の手紙が届きます。「私の友だちは『サンタクロースなんていない』って言うんです。サンタクロースって本当にいるんでしょうか?」
8歳くらいになると「サンタとかいないんだぜ!」と言う同級生が出てくるのはいつの時代もどの国も同じようです。あなたならかわいいバージニアに何と答えますか?
この本の内容は、バージニアのまっすぐな問いに対するサン新聞社記者の社説での回答です。結論から言いますと、「サンタクロースはいるよ。」と伝えているのですが、なぜ「いる」と言い切れるのか、その理由にまで触れてくれる大人はなかなかいないでしょう。
決して長くはない社説ですが、人間の想像力と子どもたちへの愛が溢れたやさしい語り口で、名作として読み継がれているのもうなずけます。
バージニアの手紙からおよそ半世紀後、フランスで「本当に大事なものは目には見えないんだよ」と言っていた「星の王子さま」も読み直したくなってきます。
3. 「モミの木」( H .C.アンデルセン原作)
素朴なタイトルに反して、少しだけ怖い(?)クリスマスの絵本です。
森の中の小さなモミの木は、「早く大きくなりたい!」「きれいに飾られたい!」といつも不平不満ばかり。鳥や風に「ここにいることを、よろこびなさい」と何度言われても全く聞く耳を持ちません。そうこうしているうちにクリスマスがやってきます。モミの木はどうなってしまうのでしょうか…?
つい現状に文句を言ってしまう大人の心には刺さって抜けないこと請け合いです。私たちは、見慣れた「今」の幸せはどうしてもなおざりにしがちですが、それは絶対に永遠ではありません。日常の幸せをしっかり噛み締めて生きていきたいものです。
4. 「クリスマス・キャロル」(ディケンズ)
非常に有名な感動作です。ディズニーアニメにもなっています。
お金持ちのスクルージは、ドケチで偏屈で嫌われ者。ある年のクリスマスの日、スクルージのもとに「クリスマスの精霊」がやってきます。過去・現在・未来のクリスマスを見せられて、泣いたり笑ったり辛くて目を覆ったり子供のようにはしゃいだりするスクルージでしたが、この経験はかなりの荒療治になったようです。
改めて読みなおすと、本筋が感動的なのはもちろんですが、クリスマスの街のキラキラ感、賑やかさがこれでもかと表現されていてワクワクする本でした。人も野菜もガチョウも踊っています。
この「キャロル」が人気になりすぎたため、ディケンズは読者の期待に応えてクリスマス関連作を発表し、最終的には5作をまとめた「クリスマス・ブックス」というタイトルの本を作るに至りました。
あの画家ゴッホも「クリスマス・ブックス」のファンで、何度も繰り返し読むに値する作品だと言っていたそうです。国も時代も超えて愛されて続けています。
「イギリスのクリスマスを創始した男」のディケンズの影響力には、ただ圧倒されるばかりです。
5. 「アンパンマンのサンタクロース」(やなせたかし)
アンパンマンの原作者やなせたかし先生が描いたアンパンマンの絵本です。ミリオンセラーだそうです。今のアニメのアンパンマンとは絵の雰囲気が違いますが、ほんわかしたタッチがかわいいです。
アンパンマンは、困っていたサンタクロースとトナカイを助けるのですが、サンタはプレゼントが配れない状態になってしまいます。誰かが急いでサンタの代わりをしなければなりません。アンパンマンワールドのみんなで知恵を絞ってトラブルを乗り越え、すてきなクリスマスを届けてくれます。
アニメのアンパンマンは聖人君子の完璧超人ですが、昔の絵本だと調子に乗って失敗してしまうこともあったみたいです。彼もふつうの人間(アンパン?)だったんだなと思うと安心します。
また、顔を全部食べさせてしまったアンパンマンが胴体だけで飛んでいくという衝撃展開も見どころの一つです。
ただこの本、ばいきんまんは登場しないので、ばいきんまんが好きな方はご注意ください。
6. 「賢者の贈り物」(O.ヘンリー)
最後はO.ヘンリーの代表作です。
「もうクリスマスなのに、夫に送るプレゼントを買うお金がない。必死で貯金してきたのに…」という、裕福でない奥様の悩みから物語は始まります。悩んだ末、愛する夫のために大きな決断をしてプレゼントを用意した彼女ですが、他方、夫も夫で大きな決断をしていました。
落語みたいなオチが用意されていてくすっと笑えます。ただ、彼らのプレゼントこそが「賢者の贈り物」なのでしょう。
「何が何でも喜ばせたい」と思えるような人がいる、思ってくれる人がいるのは幸せなことですし、夫婦たるものこのような関係でありたいものです。
「何となく知ってるけど、改めて読み直したことはない」という作品もあったのではないでしょうか。せわしない年の瀬、つかの間の休息には心穏やかになれる本を読んでみるのもいいかもしれません。
では、みなさま楽しいクリスマスを!
執筆: 弁護士 辻佐和子