空き家を放置して役所から通知が来たときの対処法

最終更新日: 2024年04月03日

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執筆: 弁護士 大澤一郎

空き家

空き家を放置してしまうと役所から通知がくるときがあります。通知がきたときは早めに対応しましょう。放置は厳禁です。

今回は、空き家を放置して役所から通知が来たときの対処法を解説します。

1. 役所からの通知は4段階

役所からの通知には大きく4段階があります。
① お願いの手紙
② 助言や指導(従わないと勧告をするという前提の通知)
③ 勧告(固定資産税が増えることがある通知)
④ 代執行(強制的な空き家の解体)

① 役所からのお願いの手紙

近隣からのクレームや役所の職員が発見するなどの方法により空き家が見つかることがあります。そのような経緯で空き家が見つかると、役所から手紙がくることがあります。

管理不十分な建物を管理するように記載があったり,越境している木を伐採するように記載があったりします。

手紙がきても、ただちに強制的に何かが起こるというわけではありません。もっとも、近所からのクレームは不動産売却のときに大きな問題となることもあります。この段階での何らかの対処が望ましいです。

② 役所からの助言や指導(従わないと勧告をするという前提の通知)

役所から、助言や指導という手紙が届くこともあります。放置していると勧告という固定資産税が増えてしまう通知がくることがあります。早急に何らかの対応をすべき状況です。

もし、どうしても早急に何らかの対応ができないとしても、役所に連絡をしたうえで今後の方針を説明したり協議したりしましょう。

③ 役所からの勧告

役所から勧告が届くと固定資産税が増えます。

不動産の状況によって異なりますが、最大で固定資産税が6倍になります。

この段階になってしまうと経済的な負担も大きくなりますが、一層早急に何らかの対応をすべきです。

④ 役所による代執行

最終的には、役所が空き家を強制的に取り壊します。代執行(だいしっこう)と言います。

取り壊し費用は後日役所から請求がきます。

まだ役所と話ができる段階なのであれば、話をして代執行はしないようにしてもらいましょう。そのうえで、早急に取り壊しその他の措置をするべきです。

2. 空き家の法的リスク

空き家を放置しておくと、次のような法的リスクがあります。
① 倒壊
② 外壁落下
③ ねずみや害虫の発生
④ 第三者の不法侵入による放火などのトラブル
⑤ 木の枝のはみだしなどによる隣人トラブル

特に空き家の倒壊などで第三者にけがをさせてしまうと、高額の賠償責任を負うことがあります。要注意です。

3. 空き家への対処法

空き家は放置せず、早めの対策が大切です。次のような方法により空き家の問題を解決しましょう。
① 維持管理して自ら利用
② 賃貸
③ 建物の建て替え
④ 土地としての有効活用
⑤ 売却

4. 空き家の相談窓口は不動産会社か弁護士

法律的な問題がないときは、まずは不動産会社に相談をしてみましょう。

もっとも、空き家になるにはそれなりの理由があります。相続問題があったり権利関係が複雑だったりというような理由です。

法律的な問題があるときは、不動産会社だけでは解決できないこともあります。そのようなときは弁護士に相談しましょう。

空き家の問題は時間が経過すればするほど問題が大きくなってきます。早急な何らかの解決をおすすめします。

執筆: 弁護士 大澤一郎