煽り運転と対策
1 あおり運転とは?
2 法律上どのように判断されるのか
「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を、これから保たなければならない。」
と規定しています。
そのため、ぶつかるギリギリのところまで車間距離を詰めることは、道路交通法26条に違反します。
また、最近では、刑法208条
「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」
の「暴行」にあおり運転行為が該当するとして、暴行で逮捕されるケースや、あおり運転行為を危険運転行為として、危険運転致死傷罪が適用されるケースもあります。
加えて、警察庁は、死亡事故に発展する恐れがあるあおり運転が社会問題化しているとして、車を使って暴行事件を起こすなど、将来事故を発生させる可能性があると判断された者について、1発で免許停止の処分ができるよう道交法の規定を適用して事故を防止するように全国の警察に指示をしたそうです。
このように、あおり運転は、道路交通法に違反するのみならず、刑法や自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律にも抵触する行為であり、犯罪です。
4 あおり運転対策
まずはドライブレコーダーを設置することが有効のようです。実際、ドライブレコーダーによって、あおり運転をおこなった人が逮捕された例があります。しかし、ドライブレコーダーを設置することは、それ自体があおり運転をされることを防ぐ手段にはなりません。そこで、ドライブレコーダーを設置した車には、ドライブレコーダー録画中と記載されたステッカーを車に貼ることが有効だと思います。ステッカーを貼ることで、あおり運転をしようとする運転者への警告にもなります。
また、今までに書いてきたようにあおり運転は犯罪であるため、怖いと感じたら警察にすぐに通報するべきだと思います。また、あおり運転をされた場合は、道を譲ってしまうのも対策のひとつだと思います。
次回のブログでは、ドライブレコーダーについて、さらに詳しく書きたいと思います。
※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。
執筆: 弁護士 松本達也