ペットの為に保険に加入しましょう!

最終更新日: 2021年09月22日

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執筆: 弁護士 松本達也

1 はじめに

ペットを飼っている方は経験があると思いますが、実は動物病院にお世話になることが多いです。皆様ご存じの通りペットについては、健康保険のような公的保険は存在していないため、治療費等は飼い主が全額負担することとなります。また、万が一、飼っているペットが他人を傷つけてしまった場合は、その損害賠償が問題となります。そこで今回のブログでは、ペットの為の保険についてお伝えします。

2 ペットの為の保険にはどんな良いことが?

(1) 治療費関連

ペット保険に加入すると、飼っているペットが病気になった場合などに、飼い主が負担した費用の一部を、保険会社に支払ってもらうことが出来るようになります。

ペットの治療にかかる費用は高額になることも多く、また、ペットも歳を重ねると人間と同様に病気のリスクも増えていきます。動物病院側から、飼い主さんが想定していたよりも高額な治療費になってしまい、支払うことが出来ないと言われてしまったがどうしたらよいかという趣旨のご相談をいただくこともあります。

治療費のことを気にせずに、最善の治療を行いたいという飼い主さんは多いと思いますので、特に病気のリスクが高い時期はご加入を検討された方が宜しいと思います。

(2) 個人賠償責任保険

ペットが通行人を噛んで傷つけてしまうという事故は、皆様が思っている以上に世の中で発生しています。

ペットが人を噛んでしまったという事故の場合、その怪我の程度はかなり重症となってしまうこともあります。小型犬の噛む力は人間の4倍以上、大型犬に至っては人間の10倍以上とも言われていますので、そのような重大事故に発展することも頷けます。実際に、飼っている犬が通行人などを噛んでしまい、裁判になる事例もあります。

重大な事故に発展してしまった場合にペットの飼い主は、被害に遭った方に対して、治療費、休業損害、慰謝料、後遺症が残ってしまった場合は将来の労働への影響である逸失利益、後遺障害が残存したことに対する慰謝料の賠償責任を負うことが
あります。賠償金の金額は事案によって異なりますが、重度の後遺障害が残ってしまったような事案であれば、その金額は高額となることもあります。

このような高額な賠償責任が認められた場合、その賠償額をただちに負担できる方は当然少ないです。そこで、そのような万が一ペットが原因で事故を起こしてしまった場合に備えて、個人賠償責任保険の特約を付けることをお勧めいたします。個人賠償責任保険は、日常生活の中で他人の物を壊してしまった、あるいは、人を怪我させてしまったことによって、法律上の損害賠償責任を負ったときに、ご加入の保険会社から保険金が支払われるというものです。個人賠償責任保険は、通常は別の保険に特約でつけるという形になります。既にご加入の保険がある場合は、個人賠償責任保険への加入の有無をご確認ください。また、示談交渉サービスを保険会社が行ってくれるケースもありますので、示談交渉サービスの有無も併せてご確認ください。

3 最後に

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ペットを飼う人が増えているようです。ペットを飼い始めたばかりの方は、個人賠償責任保険や、ペット保険に加入していないことも多いですので、ぜひ一度ペットの為に保険への加入をご検討ください。

執筆: 弁護士 松本達也