坂口弁護士、車検の季節です。

最終更新日: 2021年06月30日

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執筆: 弁護士 坂口香澄

こんにちは。弁護士の坂口です^^

今回は(も)、私の個人的な話題で投稿いたします。
タイトルの通りなのですが、私坂口の愛車の話です。

私は、以前は東京に住んでいたのですが、よつばへの入所を機に柏市に引っ越し、そして念願の自家用車を購入しました。
『自家用車』。東京に住んでいた頃は憧れの響きでした。
今でも東京都心に住んでいる前職の同僚に話すと、えええ!車!いいな!と羨ましがられます。
そして、どんな車なの?と聞いてもらえたときには、『え、BMWだけど?』と、さらりと自慢げに答えています。

いやしかし、実際は小さなミニクーパーです(たしかに車検証上は『BMW』と書いてあるので嘘ではないのですが)。
しかも、見た目は可愛いのですが、初度登録から16年が経つ初代ミニで、走行距離も10万キロを超えている大層な大層な年代物なのです。
そして何を隠そう、ヤフオクに即決価格22万円で出品されていたところを20万円で競り落としました。や、やすい…!

乗り心地はというと、走行中は今にもバラバラになってしまうのではないかと危ぶむほどの振動です。
そして窓を閉めていても風の音がよく聞こえます^^
カーナビ?当然ついていません。

ではなぜこんなオンボロ車を競り落としたのか。
それは、私が、ピカピカ無傷のゴールド免許、ペーパードライバーだったからです。
交通事故事件に携わる弁護士として交通規則は熟知していますが、実際に運転をしていたのは学生時代にたまにレンタカーを借りてドライブに…くらいなものです。
そのため、私が運転技術を取り戻すまでのリハビリ用に購入したのがこのオンボロ車です。

すこし脱線しますが、自動車の損傷に対する賠償や保険は、時価額賠償が基本です。
ですので、事故の被害に遭って、車が傷ついたのに十分な補償をしてもらえないと感じるケースは、残念ながら多くあります。
思い出のつまった愛車について「減価償却するので時価額はこれだけです。」と言われてもなかなか納得できるものではありません。
また、どうせ買替えの手間をかけるなら、この機に新車や少し新しめ中古車に買い替えたいところですが、そうなってくると今の愛車の時価額として支払われる賠償金や保険料では賄いきれずに自己負担も出てきます。そのぶん車が新しくなっているのだから…と頭で理解はできても、その出費をなぜ今迫られているのか(臨時出費はいろいろと計画が狂います)と思うと、事故のせいだ…と恨めしくなりますよね。このように車の時価額賠償に悔しい思いをされる被害者の方のお気持ちは察するにあまりあります。
ちなみに今度の8月のニュースレター(https://yotsubalegal.com/newsletter/)では、時価額賠償に多少あらがう方法を書く予定です。よければそちらもご覧ください。

話を戻します。
その点、私のオンボロ車は、ちょっとでも傷つけようものなら即座に経済的全損ですので、初めから諦めがつくというものです。
そして、私のオンボロ車、購入して6か月で車検が切れます。その頃には私のリハビリも十分でしょうから、車検のタイミングで廃車にして、もう少し乗り心地の良い車に…という計画にもってこいでした。

しかし、なんと甘いことか。
このオンボロ車、こんなにエキサイティングな乗り心地ではありますが、せっせと毎日私の生活を支えてくれています。
私が仕事で夜遅くなったときには事務所まで迎えにきてくれる(なお運転しているのは家族です)、そんなオンボロ車に愛着がわいてきてしまいました。

ついに来月、車検証の有効期限を迎えます。
もともと廃車予定だったので車検は想定していませんでしたが、車検を通すとなると、おそらく購入価格と同等の費用を支払うことになるでしょう。しかし、ぐぬぬ、愛着をもってしまった以上致し方ない、ぐぬぬ、という思いです。

そんなわけで、来月以降も、街中で古~いミニクーパーを見かけたら、あ、坂口かも、と思っていただければと思います。

執筆: 弁護士 坂口香澄