【相続人はだれ?遺産はどこ?遺言はあるの?】相続調査チェックリスト7選

最終更新日: 2026年01月08日

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執筆: 弁護士 杉山賢伸

1. はじめに:遺産や負債の見落としに注意

「親が亡くなったので、さっそく遺産を分ける話し合い(遺産分割協議)を始めよう」

そう思っている方は、少しだけ待ってください。

資産家の方や、長く実家を離れていた方の相続では、「家族も知らない財産」や「会ったこともない相続人」が後から出てくることがよくあります。
もし、これらを見落としたまま遺産分割協議を終えてしまうと、その協議が「無効」になったり、「やり直し」が必要になったりする可能性があります。

こうしたトラブルを防ぐため、本格的な手続きに入る前に、相続に関する調査が重要です。

今回は、相続に関する調査のポイントを「7つのチェックリスト」にまとめました。

2. 亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍はすべて揃っていますか?

「家族なんだから、相続人が誰かはわかっている」

そう思われるのが普通ですが、資料を揃えて確かめることが重要です。

被相続人(亡くなった方)の「生まれた日から亡くなった日までの連続した戸籍」をすべて役所から取り寄せます。
なぜなら、「前妻(前夫)との間の子」や「認知した子」の存在は、現在の戸籍だけを見ていても載っていないことがあるからです。

相続人が1人でも欠けた遺産分割協議は原則として無効です。
まずはこの作業がすべての土台となります。

3. 遺言は自宅だけでなく「公証役場・法務局」も検索しましたか?

遺言書が見つかれば、遺産分割の流れは大きく変わります。

「自宅の金庫や仏壇を探したけれど無かった」で終わらせてはいけません。
次の場所も検索しましょう。

誰にも言わずにこっそりと遺言書を作成し、公的機関に預けているケースもありえます。

4. 不動産の「登記簿謄本」は取得しましたか?

相続調査チェックリスト
自宅やアパートなど、所在がわかっている不動産については、法務局で「不動産全部事項証明書(登記簿謄本)」を取得します。

ここで、名義が本当に被相続人のものか、抵当権(借金の担保)がついていないかを確認します。

5. 役所で「名寄帳(なよせちょう)」を取り寄せましたか?

「所在はわからないけど、確か○○県に別荘があると言っていた」といった場合には、思い当たる地方自治体から名寄帳を取り寄せましょう。

「名寄帳」とは、その市区町村内にある、その人の不動産リストのことです。
これを取り寄せることで、「隠れ不動産」を発見できることがあります。

6. 通帳が見当たらない銀行に「全店照会」をかけましたか?

通帳やキャッシュカードがあれば残高はわかりますが、「取引していたはずだが、通帳が見つからない」という銀行はありませんか?
また、ネット銀行などは通帳そのものがない場合もあります。

そのような場合は、金融機関に「全店照会(ぜんてんしょうかい)」を依頼します。

支店名がわからなくても、その銀行に口座があるかどうか、あるならどの支店かを一括で調べることができます。

7. 証券会社に「取引履歴」の照会をしましたか?

株式や投資信託は、銀行預金以上に見落としやすい財産です。

「証券会社からの郵便物」や「配当金の振込通知」が来ていないか、郵便物をくまなくチェックしてください。

心当たりのある証券会社が見つかれば、残高や過去の取引履歴を照会し、保有銘柄を特定します。

また、どこの証券会社を使っていたか全く手がかりがない場合は、「証券保管振替機構(ほふり)」に登録済加入者情報の開示請求を行うことで、口座がある証券会社を特定できる可能性があります。

8. 被相続人に負債はありませんか?

意外と忘れがちなのが、被相続人が負債を抱えていた場合です。

預貯金などのプラスの財産だけでなく、負債も原則として相続の対象となります。

あとで見つかったら、そのときは相続放棄すればいいと考えるかもしれません。

しかし、相続放棄には通常3か月の期限があります。これを経過してしまうと、原則として相続人が返済義務を負うことになります。

そのため、次のような信用情報機関への情報開示請求を検討しましょう。

  • JICC(主に消費者金融に関する借り入れ状況)
  • CIC(主にクレジットカードに関する借り入れ状況
  • KSC(主に銀行に関する借り入れ状況)

それぞれの機関で保有している情報が異なります。すべてに開示請求をすることで、借入状況を把握できます。

9. さいごに:お困りの際は弁護士に相談

いかがでしたでしょうか。

「意外と調べることが多いな」と感じられたかもしれません。

しかし、これらの調査は「将来のトラブルを防ぐための保険」のようなものです。
曖昧なまま進めて後からやり直しになる労力に比べれば、最初にきっちり調査しておく方が、結果的に手続きは早く終わります。

「仕事が忙しくて、平日の昼間に役所を回れない」
「古い戸籍の文字が読めなくて、遡り方がわからない」
「隠し財産がないか、調べてほしい」

そのような場合は、専門家である弁護士にご相談ください。ご状況をお伺いしながら1つ1つご案内いたします。

「うちの場合は何から調べればいい?」といったご相談も受け付けておりますので、まずは無料相談をご利用ください。

執筆: 弁護士 杉山賢伸