不動産会社向けに、最新の法改正も踏まえつつ空き家問題を解説しました。
現在、増えている空き家問題の解決方法をお客様へ提案し、仲介案件増・売却案件増につなげていただくためのセミナーです。
参加者からもご質問を多数いただき、議論が深まったセミナーとなりました。
具体的には、次のような空き家問題の解決方法の重要ポイントを解説しました。
- 空き家をめぐる現状と放置したときの問題点
- 空家等対策の推進に関する特別措置法
- 相続人がいない場合
- 所有する空き家が原因で怪我をさせてしまった場合
- 所有者が認知症のときの管理方法
- 隣の建物が越境していた場合
- 生前の不動産売却や処分のご提案の重要性
セミナーを開催した背景と目的
現在、日本では空き家が増加しています。空き家の管理、空き家の処分など様々な問題が生じています。
そこで、不動産会社の方に空き家に関する法律問題の知識をお伝えし、日々の業務にいかしていただきたく、本セミナーを開催しました。
セミナーの内容
1. 空き家をめぐる現状と放置したときの問題点
増え続ける空き家の現状等の統計データを説明しました。
また、空き家を放置したときのリスクとして、放火、不法投棄、雨漏り、害虫、雑草・枝、不法侵入・滞在、劣化による倒壊、犯罪の温床、外観の問題等を説明しました。
このような問題を回避すべく、空き家の放置は避けましょう。
2. 空家等対策の推進に関する特別措置法
空家等対策の推進に関する特別措置法ができるまでは、倒壊等の危険がある空き家があっても、市町村ができることは限られていました。
しかし、この法律の特定空家等に該当すると、市町村は一定の要件を満たすと立入調査ができます。
また、所有者等に対して危険を回避する措置をとるように助言又は指導、勧告、命令もできます。
そして、所有者等が適切な措置をとらないときは、解体等の代執行ができるようになりました。
3. 相続人がいない場合
相続人が全員相続放棄する等で、相続人がいない事案を解説しました。
具体的には、相続財産清算人や特別代理人を選任した事例の解説等を行いました。
4. 所有する空き家が原因で怪我をさせてしまった場合
所有する空き家の屋根瓦が落ちて、歩行者に怪我をさせた場合の工作物責任等を解説しました。(民法第717条)
5. 所有者が認知症の場合の管理方法
所有者が認知症のときに空き家をどのように管理するか解説しました。具体的には、成年後見制度や事務管理の制度を説明しました。
6. 隣の建物が越境していた場合
隣の建物が越境していた場合と取得時効について解説しました。
具体的には、お互いに越境について気が付かずに、越境した人が所有の意思を持って建物を建てた場合、取得時効により越境をした人の土地になってしまうおそれがあること等を説明しました。
7. 生前の不動産売却や処分のご提案の重要性
一度空き家になってしまうと様々な問題が生じることがあり、また、空き家になってしまった後では対応が難しくなることも多いです。
そのため、所有者が生前かつ元気なときに売却や処分をした方がよいです。また、所有者の死亡等により空き家になったときは、早期の着手を行うこと重要です。