相続には財産の相続もありますが、借金の相続もあります。
そこで、借金の相続について、次のような点を解説しました。
- 借金を相続する恐ろしさ
- 生前にできる借金相続対策
- 借金を相続してしまったら?お亡くなりになった後の対策
3時間という長時間セミナーでしたが、参加した皆様に真剣に聞いていただきました。また、質疑応答も充実したものとなり、借金と相続に関する注目度が伺えるセミナーになりました。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。
セミナーを開催した背景と目的
借金を相続してしまうと、相続人が支払いをしなくてはいけません。
相続人が予期せぬトラブルに巻き込まれることを防ぐため、借金の相続について知っておいて欲しいという想いから、本セミナーを開催しました。
セミナーの内容
1. 借金を相続する恐ろしさ
生前の相続対策が浸透してきたとはいえ、借金が残る方の相続対策はまだまだあまり知られていないのが実情です。
財産と同じように、借金も相続の対象となります。
たとえば、故人が1000万円の借金をしていた場合、何も対策をしなければ、相続人が借金1000万円を相続することとなってしまいます。
2. 生前にできる借金相続対策
借金の相続の問題を解決する一番の要は、ご本人が生前にきちんと借金をキレイにすることです。
借金の問題を解決するには、次の3つの方法があります。
① 自己破産
② 任意整理
③ 個人再生
① 自己破産
自己破産とは、裁判所に申立てをして、借金をゼロにする手続きです。
自己破産には次のような特徴があります。
- 裁判所を使って全ての借金をなくせます。
- 一定の財産は持ち続けることができます。
- 持ち家などの大きな財産は失います。
② 任意整理
任意整理とは、弁護士が業者と個別に交渉をして、支払総額や毎月の支払額を決める手続きです。
任意整理には次のような特徴があります。
- 毎月の返済額を減らせることが多いです。
- 裁判所を使わないため手続きが簡単です。
- 財産を失わずに手続きができます。
③ 個人再生
個人再生とは、裁判所に申立をして借金を5分の1などに減額する手続きです。
個人再生には次のような特徴があります。
- 借金が5分の1などに減額できます。
- 自宅を失わずに借金を整理できます。
- ギャンブルや浪費、株取引の失敗による借金でも利用できます。
3. 借金を相続してしまったら?お亡くなりになった後の対策
生前にご本人が対策を何もせずにお亡くなりになってしまった場合には、相続人は相続放棄などの対策をとる必要があります。
相続放棄は裁判所での手続きですので少し複雑です。そこで、相続放棄について次のような点を解説しました。
① 相続放棄の裁判所での手続き
② 相続放棄をするまでの注意点
③ 相続放棄の手続きをした後の注意点
3か月の期間制限に注意
特に、相続放棄は期間制限に注意が必要です。故人がお亡くなりになった後、原則として3か月以内に相続放棄の手続きが必要です。
もっとも、3か月経過後も相続放棄ができないわけではありませんが、条件が複雑です。
そのため、3か月経過後の相続放棄を検討する場合、弁護士への相談をおすすめします。