医業承継士協会にて、医療機関の事業承継を受ける側の当事者として経験した事例を発表しました。承継後は、弁護士と並行して理事兼社員兼受付事務として、3年間ほど経営をしました。
実際のクリニック経営の経験がない中の挑戦でしたが、結果的に承継前の患者数を超えるクリニックに成長するなど、承継の成功事案としてお話をすることができました。
医療機関の承継に関わる行政書士やコンサルタントの皆様多数にご参加いただきました。
セミナーを開催した背景と目的
医療機関のM&Aは、通常の株式会社のM&Aとは異なるポイントや注意点があります。
そこで、医療機関のM&Aのポイントなどを実際の経験に基づき解説しました。
また、承継後のスムースな移行については、実際の経営経験を含めて解説しました。
たとえば、承継前のクリニックは長年紙カルテでしたが、承継を機に電子カルテを導入しました。また、患者さんの待ち時間短縮のため、予約システムや電子決済の導入といったDX化を進めました。
医療機関のM&Aの一例として参考になればとの想いでお話をさせていただきました。
セミナーの内容
1. 事業承継の契約交渉のポイント
① 診察内容
② 患者数やカルテ数
③ スタッフ数
④ スタッフの引き継ぎをできるだけ確実にする方法
⑤ その他経営にあたって必要な事項を十分に検討しておくこと
2. 事業承継に関する契約書の作成のポイント
① 株式会社のM&Aとは異なる対応が必要となること
② 行政上の手続きに注意すること
3. 承継後の法人名やクリニック名の注意点
① 同一名称のメリット・デメリット
② 新名称のメリット・デメリット
4. 承継後の組織構成の注意点
① 医師
② 看護師
③ 受付などの事務スタッフ
5. 承継後の業務フローのポイント
① 受付業務の効率化
② 電子カルテの導入による効率化
③ 会計の効率化
④ その他の効率化
6. 承継における留意点
① カルテの引継ぎ
② リース契約の引継ぎ
③ インターネット回線の引継ぎ
④ 電話回線の引継ぎ
⑤ その他の引継ぎ