MSWが知っておきたい弁護士活用方法

開催日時:
2017年03月26日 15:00 〜 17:00
セミナー分類:
企業法務
主催:
千葉県医療社会事業協会
講師:
前田 徹 前田 徹のプロフィール
対象者:
千葉県医療社会事業協会に所属するソーシャルワーカー

MSWが知っておきたい弁護士活用方法

セミナー報告

千葉県医療社会事業協会に所属する医療ソーシャルワーカー25名を対象とした研修会で講師を担当しました。

「MSWが知っておきたい弁護士活用方法」というテーマで、MSWはどのような場合に弁護士に相談をした方がよいのか、弁護士費用はどのくらいかかるのかなどをお話しました。

具体的には、次の点を解説しました。

  1. 弁護士数の推移や今後の動向
  2. 弁護士の業務内容のご紹介
  3. 弁護士費用について
  4. 具体的事例における弁護士の役割とその活用法

セミナーを開催した背景と目的

医療ソーシャルワーカー(MSW)は、患者やそのご家族の悩みや問題を解決するために、医療機関において、医師や公的機関などと協力して患者やご家族の支援を行う職業です。

支援を行う中で法律的な問題がネックになり、支援が進まないというご相談を、医療ソーシャルワーカーの方からいただきました。

そこで、医療ソーシャルワーカーの業務に関連して、どのような場面で弁護士を活用するとよいかをお伝えしたいと思い、本セミナーを開催いたしました。

セミナーの内容

1. 交通事故診療と健康保険

① 平成28年11月30日現在、弁護士数は全国で3万7568人となっている。
② 10年前の平成18年では、弁護士数は2万2000人だったことから分かるように、弁護士数は増加傾向にある。
③ 千葉県内では平成28年3月27日現在、754人の弁護士がいる。

2. 弁護士の業務内容のご紹介

① 弁護士の業務は大きく分けて、民事事件、刑事事件、その他がある。
② 一般的な民事事件は大きく分けて、財産に関する問題と家族に関する問題がある。
③ 一般的な民事事件では、弁護士は依頼者との打ち合わせ、事実調査、法律調査、書面作成、契約書のチェック、相手方との交渉、訴訟、強制執行業務などを行っている。
④ その他の業務としては、成年後見業務や破産事件などがある。

3. 弁護士費用について

① 一般的な弁護士費用の種類として、着手金、報酬金、法律相談料、経費実費、日当、顧問料、手数料などがある。
② 弁護士費用の算定に明確な基準はなく、個々の弁護士がその基準を定めている。
③ 弁護士費用の目安として、(旧)日本弁護士連合会報酬等基準がある。
④ 弁護士に依頼をする前に、必ず事前に弁護士に費用を確認することが重要である。

4. 具体的事例における弁護士の役割とその活用方法

① 医療ソーシャルワーカーの業務に関連する代表的な事例として、借金問題交通事故成年後見がある。
② 個人の借金問題の主な解決方法には、任意整理自己破産個人再生がある。
③ 交通事故でけがをした被害者が弁護士を付けることにはメリットがある。具体的には、賠償金が高くなること、弁護士に任せて治療と日常生活を取り戻すことに集中できることなどのメリットがある。
④ 成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などによって判断能力が十分ではない方を保護するための制度である。
⑤ 最近の傾向として、弁護士の業務の専門性が高まってきている。どの弁護士に依頼するとよいかもまずは身近な弁護士に相談するとよい。

参加者の声

  • 弁護士は敷居が高いと思っていたが、身近な存在として、相談にのってもらいたいと思った。
  • MSWだけの支援ではなく、他の専門職を利用することで、患者様やご家族にとってよりよい支援につながるのだと実感した。実例に基づいて詳しく細かく説明をしていただきありがとうございました。また機会があれば、講演を聞かせていただきたいと思います。
  • 交通事故で入院している患者様もおり、弁護士を活用されることで、きちんと家族が納得されることがあると聞き、勉強になりました。

関連情報