従業員の入社・退社に伴う諸問題

開催日時:
2017年03月13日
セミナー分類:
企業法務
主催:
千葉県にある運送会社様
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール
三井 伸容 三井 伸容のプロフィール
開催会場:
千葉県にある運送会社様

従業員の入社・退社に伴う諸問題

セミナー報告

千葉県にある運送会社様(顧問会社様)の社内勉強会として、入社 退社時の書類の内容の再確認と従業員が事故を起こした後の対応について検討しました。

【講習内容】

  • 従業員が事故を起こした場合の会社の対応について(特に従業員が加害者となってしまった場合)
  • 身元保証契約について
  • 秘密保持契約について
  • 競業避止義務の誓約書について
  • 退職に伴う誓約書について
  • その他覚書の作成方法
  • 運送委託契約書について
  • 質疑応答

本勉強会に関連する質問と回答

Q 従業員が交通事故を起こした場合、従業員に弁償させることはできますか?
  • 不可能ではありませんが、全額の弁償は通常は無理でしょう。

【解説】

  • 従業員が仕事上のミス等により会社に損害を与えた場合、その損害を賠償する責任を従業員が負うことはあります。ただし、全額の賠償請求が認められるわけではなく、従業員の賠償責任は制限されることが多いです。
  • 具体的な減額の幅は、①従業員が行った加害行為の態様、②従業員の地位・職責・労働条件、③加害行為の予防や損失の分散(保険の利用等)についての会社の対応のあり方等の諸事情を考慮して判断されます。
  • 過去の裁判では、損害額の25%の請求を従業員に対して認めた裁判があり、1つの基準となっています。
Q 身元保証契約の注意点はどのような点ですか?
  • 身元保証契約の期間を定めない場合、期間は法律の規定により3年間となります。
  • 身元保証契約の期間を定めた場合でも、身元保証契約の有効期間は5年間が上限となります。
  • 身元保証契約の更新契約は可能です。
  • 身元保証契約には保証額の上限を具体的に記載する必要があります。

【解説】

  • 身元保証法第1条によれば、期限の定めのない身元保証契約の有効期限は原則として3年とされています。
  • 身元保証法第2条第1項によれば、身元保証の期限は5年を超えることができないとされています。また、5年以上の有効期限を定めた身元保証契約の場合、期限は5年間に短縮されることとなっています。
  • 民法第465条の2によれば、「極度額(上限額)」を定めない保証契約は原則として無効とされています。
Q 従業員との秘密保持契約の注意点はどのような点ですか?
  • 入社時に作成しましょう。
  • 就業規則その他会社の各種規程と整合した内容になっているか確認しましょう。
Q 従業員が作成する競業避止義務の誓約書の注意点はどのような点ですか?
  • 書面の内容通り有効となるとは限りません。①期間、②場所、③業種などを合理的な範囲に限定することをお勧めします。
  • 競業避止義務がどの範囲で有効となりどの範囲で無効となるかの判断は非常に難しいです。専門家へのご相談をお勧めします。
Q 従業員の退職時の誓約書の注意点はどのような点ですか?
  • 会社と従業員の関係が悪化している場合、退職時に従業員が書面を作成しない可能性があります。退職時に書面が作成されない可能性も十分に考慮した上で採用段階から適切な人事労務体制を整えましょう。
Q その他、運送会社で発生しうる従業員に関する問題はどのような点が多いですか?
  • 圧倒的に多いのは未払残業代です。

【解説】

  • 未払残業代トラブル防止のため、雇用契約書、労働条件通知書、給与明細、就業規則、賃金規定などの各種書面を整備しましょう。
  • また、未払残業代トラブル防止のため、書面と実態が一致しているかどうかの確認を定期的に行うことも必要です。
  • 実際に従業員から未払残業代の請求があった場合、問題が大きくなる前に早めに専門家に相談しながら対応しましょう。

参考リンク