厚生局による「個別指導」にどう対応すべきか?

開催日時:
2019年01月23日 18:15 〜 19:00
セミナー分類:
企業法務
主催:
柏地区病院事務長会
講師:
川﨑 翔 川﨑 翔のプロフィール
対象者:
医療機関の事務長

厚生局による「個別指導」にどう対応すべきか?

セミナー報告

2019年柏地区病院事務長会の新春研修会として「厚生局による個別指導にどう対応すべきか?」の研修講師を担当しました。

【講習内容】

  1. 「個別指導」とは何か?
  2. 個別指導の流れや具体例
  3. 個別指導の実施日に向けた準備事項
  4. 自主返還の流れや具体例
  5. 通知から指導日までの注意点
  6. 指摘されやすい事項
  7. 日常の診療で注意すべき点
  8. 指定取消と訴訟
  9. 指導対象として選定されやすい場合

たくさんの病院の事務長の皆様にご参加いただきました。

研修会を開催した背景と目的

2017年度の個別指導による全国の返還額は31億円あまりです。

個別指導により自主返還となってしまうと、病院経営に数字上の大きな影響を与えかねません。万が一、ニュースなどになってしまうと、今まで築き上げた病院の評判が大きく下がります。

病院では、保険請求を事務や医事課の皆様が専門的に担っています。そこで、柏地区病院事務長会にて、個別指導の流れや対応方法を解説する研修会を開催しました。

研修会の内容

1. 「個別指導」とは何か?

① 保険医療機関及び保険医療養担当規則の順守
② 厚生労働省(厚生局)からの規制や監督

2. 個別指導の流れや具体例

① 日付や出席者の確認
② 指定されたカルテの確認
③ 弁護士の帯同を検討

3. 個別指導の実施日に向けた準備事項

① 指導日の1週間前に20例のカルテの指定
② 指導日の前日に10例のカルテの指定
③ 指定されたカルテの丁寧な分析が重要

4. 自主返還の流れや具体例

① 自主返還とは、指導対象となったレセプトのうち、返還が生じるもの及び返還事項に係る全患者の指導月前1年分のレセプトについて、自主点検の上返還を求めるもの
② 2017年の自主返還額は約31億円

5. 通知から指導日までの注意点

① 実施通知を受領してからできることは限られる。適正な事前の管理が重要。
② 弁護士は帯同するだけでは意味がない。詳しい弁護士に相談することが重要。

6. 指摘されやすい事項

① 再診料
② 無診察治療
③ 自家診療
④ 指導・管理料
⑤ 無資格者によるレントゲン撮影
⑥ 医療情報提供料
⑦ カルテの記載漏れや記載ミス

7. 日常の診療で注意すべき点

① カルテの整備
② カルテの記載漏れや記載ミス

8. 指定取消と訴訟

① 保険医療機関の指定取消処分
② 保険医登録の取消処分
③ 取消訴訟の現状

9. 指導対象として選定されやすい場合

① 集団的個別指導を受けた医療機関のうち、翌年度も高点数の医療機関
② 第三者からの情報提供があった場合