千葉県内の大手製薬会社の従業員約200名を対象とした社内研修会に、講師として呼んでいただきました。従業員が気を付けるべきハラスメント対策をお話ししました。
具体的には、次のようなハラスメント対策の重要ポイントを中心に解説しました。
1. ハラスメント問題の現状
2. ハラスメント問題の基礎知識
① パワハラ
② セクハラ
③ マタハラ
3. ハラスメントを受けたと感じたときの対処法
セミナーを開催した背景と目的
「〇〇ハラスメント」という言葉がテレビやネット上で話題となることが近年多くなり、ハラスメントに関する社会の関心が大きくなっています。また、社内においても、パワーハラスメントやセクシャルハラスメントの課題は増えています。
ハラスメントは加害者にも被害者にもならないことが重要です。そこで、ハラスメント問題について正しく理解していただき、ハラスメントの予防と対処法を理解していただきたく、従業員向けに本セミナーを開催しました。
セミナーの内容
1. ハラスメント問題の現状
ニュースなどで大きく取り上げられた、ある体育協会のパワハラ問題や「#MeeToo」問題を例にあげて、ハラスメント問題が社会の関心事になっていることを説明しました。
また、厚生労働省が発表しているデータに基づき、4人に1人の割合で、パワハラを受けたと感じていることを説明し、ハラスメント問題が身近な問題であることを認識していただきました。
2. ハラスメント問題の基礎知識
① パワハラ
職場におけるパワハラとは、同じ職場で働く者に対して、職場上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。
いくつかの裁判例を取り上げて、パワハラと適切な指導の境界について説明しました。
② セクハラ
セクハラには、環境型と対価型の2パターンがあることを説明しました。また、セクハラが問題となるのは、自社の中だけではなく、取引先と打ち合わせをするための飲食店や、会社の忘年会なども対象になることを説明しました。
③ マタハラ
マタハラとは、マタニティハラスメントの略で、働く女性の妊娠・出産をきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産を理由とした解雇や雇止めで不利益を被ったりするなどの不当な扱いを受けることをいいます。育児の現場における育児ハラスメントの問題もこれに含まれます。
マタハラ問題は、育児・介護休業法や男女雇用機会均等法など、様々な法律が関わる問題であることを説明しました。
3. ハラスメントを受けたと感じたときの対処法
ハラスメントを受けた場合には、一人で抱え込まずに周りに相談すること、会社の相談窓口を活用することの重要性をお伝えしました。
また、ハラスメントを受けたという相談があったときの適切な対応方法も説明しました。