企業の法的トラブル防止とリスクヘッジ

開催日時:
2018年03月20日 18:30 〜 20:00
セミナー分類:
企業法務
主催:
(一社)柏法人会青年部会
講師:
小林 義和 小林 義和のプロフィール
株式会社アクトスリー 塚越立太
開催会場:
柏商工会議所
対象者:
柏法人会青年部会員

企業の法的トラブル防止とリスクヘッジ

セミナー報告

1 企業が事業活動を行うときに想定される重大な法的トラブルを、予防の観点から解説しました。また、リスクを減らす保険商品も併せて説明しました。

2 パワーハラスメント
上司の職務命令や指導内容などにつき、従業員がパワハラの申出をしたときの対応方法を解説しました。
パワハラやセクハラなどハラスメント発生防止のために注意すべき点も併せて解説しました。

3 使用者責任
長時間かつ深夜の時間外労働をしていた従業員が、業務中に倒れて死亡したときの会社対応を解説しました。会社は安全配慮義務を負います。安全配慮義務を果たし、従業員の健康を保つ方法も説明しました。

その他、大地震などの天災が発生したときの会社の対処法も解説しました。

4 独占禁止法
家庭用機具を製造し流通業者に卸しているメーカーが、流通業者に対して定価を示し、値引き販売をしないよう指示することの法的問題点を解説しました。独占禁止法の具体的な条文を踏まえて、独占禁止法に抵触しない対処法も併せて解説しました。

5 下請法(下請代金支払遅延等防止法)
資本金5,000万円の機械メーカーが部品製造の一部を他社に委託していた際に、原材料費の高騰等により委託先の会社に対して値下げ要請をした場合の問題点を解説しました。下請法の具体的な条文を踏まえて、下請法に抵触しない対処法を併せて解説しました。

6 経営責任
経営者が長年の取引先から資金援助を求められた際に、取引先が経営不振という情報があったのに取引先へ資金援助をしたときに生じうる問題点を解説しました。経営判断の原則などを踏まえて、経営者の経営責任を回避する対処法を併せて解説しました。

7 交通事故
従業員が夜間勤務中に被害事故で入院した事例を解説しました。加害者から適切な賠償を受けるための次のような注意点を説明しました。

  • 症状固定前と症状固定後の個々の賠償項目
  • 後遺障害の等級認定
  • 弁護士に相談するタイミング

本セミナーに関連する質問と回答

Q 企業で大きな法的トラブルが発生するとどのような問題が発生しますか?
A 大きなトラブルが発生してしまうと次のような問題が発生します。

  • ①金銭だけでなく時間や労力も含めて大きなコストが発生
  • ②従業員の士気が低下
  • ③企業の評判に悪影響が生じるおそれ
  • ④業績低下
  • ⑤(最悪の場合)倒産

法的トラブルは発生するまで気付きにくいことが多いです。兆候を感じたときは早めに弁護士に相談しましょう。

Q 弁護士へ相談した方がよいのはどのタイミングですか?
A トラブルが発生する前がよいです。また、トラブルの兆候があるときはすぐに相談をおすすめします。未然にトラブルを防止できる可能性も高くなります。継続的なご相談が必要なときは弁護士との顧問契約も検討しましょう。
Q 企業のリスクをカバーする保険商品にはどのようなものがありますか?
A 様々な保険商品があります。保険の専門家に相談してみましょう。特に、労災事故の賠償責任は責任が発生しやすく、金額も高額となることが多いです。1回の事故で1憶円以上の損害賠償となることもあります。労災事故のリスクをカバーできているか社内体制を一度検討しましょう。

参考リンク