税理士・司法書士・行政書士・不動産会社経営者・保険会社社員など異業種の方々が集まる勉強会で、ハラスメント問題の現状や基礎知識を説明しました。
具体的には、次のような内容を解説しました。
1. ハラスメント問題の現状
(1) ハラスメント問題のニュース
(2) 統計データからわかる現状
2. ハラスメント問題の基礎知識
(1) パワーハラスメント
(2) セクシャルハラスメント
(3) マタニティハラスメント
3. ハラスメント問題への対処法
(1) 教育・社内体制作りと相談時の注意点
(2) 賠償保険
4. まとめ:相談があった際の対応を改めて確認
セミナーを開催した背景と目的
税理士・司法書士・行政書士・不動産会社経営者・保険会社社員など異業種の方々が集まる勉強会で講師の依頼を受けました。
昨今、パワハラやセクハラなどのニュースが連日のように流れています。ハラスメント問題への関心も高まっています。
そこで、皆様の仕事に役立てていただくため、管理者向けのハラスメント対策を解説しました。
セミナーの内容
1. ハラスメント問題の現状
(1) ハラスメント問題のニュース
テレビ・新聞・インターネットなどで、連日のようにハラスメントのニュースが出ています。たとえば次のようなニュースです。
① 日大アメフト部の悪質タックル問題
② 日本レスリング協会のパワハラ問題
③ 電通の面接官によるセクハラ発言
④ 財務省事務次官によるセクハラ問題
(2) 統計データからわかる現状
ハラスメントの相談件数は増加傾向です。4人に1人は過去3年間でパワハラを受けたと感じています。パワハラにより、多くの企業で従業員にメンタルの問題が生じています。
ハラスメント問題は身近な問題であり、誰でも被害者・加害者になってしまうことがあります。
2. ハラスメント問題の基礎知識
(1) パワーハラスメント
パワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。
具体的には、次のようなパターンがあります。
- 身体的な攻撃
- 精神的な攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過少な要求
- 個の侵害
パワハラについて、次のような点を解説しました。
① パワハラと業務上の適切な指導との線引き
② パワハラと判断されないために気を付けるべき4つのポイント
③ 会社が支払義務を負うときの賠償金
④ パワハラ対策のために会社が行うべき具体的な措置
(2) セクシャルハラスメント
セクシャルハラスメントとは、「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。
具体的には、次のようなパターンがあります。
① 対価型セクシャルハラスメント
② 環境型セクシャルハラスメント
近年、セクハラ問題は複雑化していますので一層注意が必要です。たとえば、次のような問題もあります。
① 女性から男性へのセクハラ
② LGBT差別の禁止
③ 医療・介護分野における患者や利用者からのセクハラ
(3) マタニティハラスメント
マタニティハラスメントとは、「職場」において行われる上司・同僚からの言動により、妊娠・出産した女性労働者や育児休業・介護休業等を申出・取得した女性労働者の就業環境が害されることをいいます。
マタハラの相談件数は増加傾向です。また、マタハラはルールが複雑です。問題が発生したら、専門家に相談しながら進めていくことが大切です。
3. ハラスメント問題への対処法
(1) 教育・社内体制作りと相談時の注意点
ハラスメント問題への対処法として、次のような点を解説しました。
① 社内相談窓口の活用
② 相談があったら放置しないこと
③ 調査手順
④ 相談者に対する説明方法
⑤ 初動における相談者との信頼関係の構築
⑥ 相談内容の記録化
⑦ 事実認定と判定・処分の峻別
⑧ 外部専門家の活用
(2) 賠償保険
ハラスメントの問題が発生すると、会社が多額の賠償責任を負う危険があります。万が一の事態に備えて、賠償保険への加入をおすすめします。
4. まとめ:相談があった際の対応を改めて確認
① ハラスメント問題の現状を認識し、問題の重要性を理解する。
② 相談があった際の対応を改めて確認する。