医療介護現場におけるハラスメント対策

開催日時:
2018年06月18日 13:00 〜 16:00
セミナー分類:
企業法務
主催:
千葉県の医療法人様
講師:
前田 徹 前田 徹のプロフィール
対象者:
課長以上の管理職様

医療介護現場におけるハラスメント対策

セミナー報告

千葉県内の医療法人の課長以上の管理職の方々約40名を対象とした社内研修会の講師を担当しました。医療介護現場におけるハラスメント対策を解説しました。

【講習内容】

1.ハラスメント問題の現状
(1)ハラスメント問題に関する最近のニュースの紹介
(2)統計データから分かるハラスメント問題の現状
2.ハラスメント問題の基礎知識
(1)パワハラ
(2)セクハラ
(3)マタハラ
3.ハラスメント問題への対処法
(1)教育・社内体制作りと相談時の注意点
(2)賠償保険
4.質疑応答

【感想】

ハラスメントは最近ホットなテーマになっています。参加者には熱心にお話を聞いていただきました。質疑応答では医療介護の現場の視点から様々な質問がありました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

本研修会に関連する質問と回答

Q パワハラにならないために気を付けるポイントは何ですか?
A 注意するポイントは次の4つです。

  • ①感情的に叱責しないこと
  • ②暴力や人格を否定する表現は行わないこと
  • ③指導時間は短時間で行うこと
  • ④指導する場所や方法に配慮すること。たとえば、必要性がないにもかかわらず、全社員一斉メールで特定の部下の指導を上司が行うことは不適切です。パワハラとなる可能性が高いです。
Q セクハラは、「職場において行われる」ことが必要と聞きました。たとえば、取引先との打ち合わせの飲食店で性的嫌がらせがあったときもセクハラになりますか?
A セクハラに該当する可能性があります。
労働者が通常就業している場所以外でも、労働者が業務を遂行する場所は「職場」に該当します。

そのため、取引先との打ち合わせの飲食店でも、「職場」に該当することがあります。

たとえば、従業員同士で行った二次会カラオケでのセクハラ行為につき、次の理由から会社への損害賠償を認めた裁判例があります。

  • 一次会が従業員同士の懇親を図る目的であった
  • 帰宅しようとする女性を誘って二次会に行った
  • 仕事の話を絡ませながら性的嫌がらせを繰り返した
    (大阪地方裁判所平成10年12月21日判決)
Q セクハラ行為を受けているのに、抵抗したり大声を出したり助けを求めていなかったり、セクハラ行為の後も加害者に対して好意的ともとれる行動(メールや食事等)をとっている場合、セクハラは否定されますか?
A セクハラが否定されるわけではありません。

過去の判例でも次の指摘があります。
職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議を抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたり躊躇したりすることが少なくない。
(最高裁判所平成27年2月26日判決)

セクハラ行為と思われる行為があるときは、会社は速やかに是正措置などの対応を取りましょう。

Q 「男のくせに、こんなこともできないのか!」と女性が男性に言うことは、セクハラですか?
A 女性から男性への性的嫌がらせもセクハラになります。男女雇用機会均等法でも定められています。

「男のくせに、こんなこともできないのか!」発言は、セクハラの可能性があります。

参考リンク