従業員トラブルの時効と労働審判の具体例

開催日時:
2011年11月16日
セミナー分類:
企業法務
主催:
千葉県社会保険労務士会東葛支部の先生方
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール

従業員トラブルの時効と労働審判の具体例

セミナー報告

「従業員トラブルの時効と労働審判の具体例」
柏にて、社会保険労務士の先生の勉強会にて、各種請求権の時効と労働審判の具体例について講師をしました。

【消滅時効について】

・従業員に関する権利と消滅時効の期間について
・時効消滅を妨げる事由について
・従業員との関係での各種権利義務についての消滅時効期間の具体例
給与,割増賃金,退職金,労災給付,有休休暇,解雇予告手当,安全配慮義務違反による損害賠償請求,セクハラ・パワハラを理由とする損害賠償請求
・会社の立場,従業員の立場からの消滅時効について

【労働審判について】

・労働審判の特徴について
民事訴訟との違い,どちらの手続きが有利かの選択,初回の労働審判の重要性など
・労働審判(割増賃金)の事案の具体例
割増賃金の事案は会社側の場合,労働審判・民事訴訟でどちらが一律に有利とは言えない
・労働審判(解雇)の事案の具体例
解雇の事案は会社側の場合,労働審判の方が少額での和解をしやすい傾向

勉強会に関連する質問と回答

Q 給与の時効は何年ですか?
  • 3年です。

【解説】

  • 2020年3月31日以前の給与は2年です。(なお、今後の改正の可能性がありますので最新の情報をご確認下さい。)
Q 残業代(割増賃金)の時効は何年ですか?
  • 3年です。

【解説】

  • 2020年3月31日以前の給与は2年です。(なお、今後の改正の可能性がありますので最新の情報をご確認下さい。)
Q 退職金の時効は何年ですか?
  • 5年です。
Q 労災給付の時効は何年ですか?
  • 会社を休んだ分の補償の休業補償給付などは2年、後遺障害が残った場合の補償の障害補償給付などは5年です。

【解説】

Q 労働審判の特徴はどのような点ですか?
  • 労働審判の特徴はどのような点ですか?

【解説】

Q 労働審判の流れはどのような流れですか?
  • ①従業員が裁判所へ申立→②裁判所が会社に書類送付→③会社が答弁書を提出→④第1回手続期日という流れで進みます。

【解説】

  • 第1回手続期日で結論に至らない場合、第2回、第3回の手続期日が行われることがあります。
  • 第1回手続期日で結論に至らない場合、第2回、第3回の手続期日が行われることがあります。
  • 労働審判の手続の流れの詳細は、労働審判手続(裁判所WEBサイト)をご参照下さい。
Q 割増賃金(残業代)の労働審判申立をされた場合、労働審判での解決と民事訴訟での解決のいずれがよいですか?
  • 事案によりますが、労働審判での解決が会社にとって望ましいことが経験上は多いです。
  • ただし、相手の主張が明らかにおかしい事案等の場合、民事訴訟での決着が望ましいこともあります。
Q 解雇の労働審判申立をされた場合、労働審判での解決と民事訴訟での解決のいずれがよいですか?
  • 事案によりますが、労働審判での解決が会社にとって望ましいことが経験上は多いです。
  • ただし、相手の主張が明らかにおかしい事案等の場合、民事訴訟での決着が望ましいこともあります。
Q 労働審判が申立された旨の書類が顧問会社に届いた場合、社労士としてはどう対応すればよいですか?
  • 書類の内容を確認すると共に、早急に労働問題に詳しい弁護士に相談しましょう。

【解説】

  • 従業員が申立をした労働審判の書類の中には事実とは異なる記載があることもあります。事実とは異なる記載がある場合、反論の証拠を準備しましょう。

参考リンク