会社を不当な残業代請求から守る残業代対策~会社・従業員間の信頼関係構築を目指して~
- 開催日時:
- 2010年09月15日
- セミナー分類:
- 企業法務
- 主催:
- よつば総合法律事務所
- 講師:
- 大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール
会社を不当な残業代請求から守る残業代対策~会社・従業員間の信頼関係構築を目指して~
本研修会に関連する質問と回答
- Q 管理監督者とは何ですか?
- 次の要件を満たすような従業員です。
①事業主の経営に関する決定に参画し、労務管理に関する指揮監督権限を認められていること
②自己の出退勤をはじめとする労働時間について裁量権を有していること
③一般の従業員に比しその地位と権限にふさわしい賃金上の処遇を与えられていること
【解説】- 実際に管理監督者に該当すると判断される場合は少ないです。
- Q 管理監督者に該当するとどうなりますか?
-
- 管理監督者に該当すると割増賃金の支払が不要となります。
【解説】
- 割増賃金の支払が不要になるからといって、安易に社内で管理監督者であることを前提に労務管理を行うのは危険です。
- 後日、裁判等で管理監督者に該当しないと判断されると、多額の割増賃金が発生してしまいます。
- Q 管理監督者に関する有名な裁判例にはどのようなものがありますか?
-
- 日本マクドナルド事件があります。
- Q 日本マクドナルド事件ではどのような判断がなされましたか?
-
- マクドナルドの店長について管理監督者であることが否定されました。
【解説】
管理監督者に当たるかどうかは次のような点を総合考慮すると判断されました。
①職務内容、権限及び責任に照らし、労務管理を含め企業全体の事業経営に関する重要事項にどのように関与しているかという点
②その勤務態様が労働時間等に対する規制になじまないものであるか否かという点
③給与(基本給,役付手当等)及び一時金において、管理監督者にふさわしい待遇がされているか否かという点 - Q 残業代に関する会社側の相談はどのような相談が多いですか?
- 次のようなご相談が多いです。
- 従業員から多額の残業代請求を受けていてどう対応すればよいか対応に困って
- 労働基準監督署から残業代の不払いと指摘されて是正勧告を受けている。
- 今の賃金体系で適切に残業代が払えているかが不安がある。
- Q よつば総合法律事務所では残業代についてどのようなサポートが可能ですか?
- 次のようなサポートが可能です。
①残業代のリスクの分析
②賃金制度の改訂の提案・アドバイス
③賃金制度の改訂に伴って、社内規程・労働条件通知書・雇用契約書などの作成
④賃金制度の変更に伴う従業員説明会のサポートや文書作成
⑤労働条件の不利益変更となる可能性がある場合の個別サポート
⑥労働基準監督署対応
⑦個別の紛争発生時の交渉、労働審判、民事訴訟対応
⑧労働組合から団体交渉申入があった場合の団体交渉対応
⑨その他継続的な労務管理のサポート - Q よつば総合法律事務所では残業代請求に関する会社側の解決事例は多いですか?
-
- 多いです。
関連情報
- Q 残業代でトラブルになりやすいパターンはどのようなパターンですか?
- 次のようなパターンです。
- 「残業代込で基本給〇円」という支払をしている。
- 毎月固定残業代を支払うのみである。
- 雇用契約書や労働条件通知書がない。
- 経営者が「信頼関係があれば大丈夫」、「今まで一度も残業代請求されたことがない」と話している。(対策が不十分である確率が高いです。)
- Q 過去の不当な残業代請求の例にはどのようなものがありましたか?
- 次のような事案などがありました。
- 手帳などの記録を改ざんして明らかに事実と異なる残業代を請求してきている。
- タイムカードはあるものの、その時間に何をしていたかが全くわからない時間が大量にある。
- 休日に勝手に会社にきてタイムカードを打刻している。
- タイムカードなどの客観的な記録がないにもかかわらず、「一律毎日〇時間」など明らかに実態と異なる時間を元に請求してきている。
- オール歩合制であるにもかかわらず1.25倍の割増賃金に固執するなど計算を間違っている。