経営者のためのリスクセミナー。会社を守る。社長を守る。

開催日時:
2011年09月21日
セミナー分類:
企業法務
主催:
柏法人会
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール

経営者のためのリスクセミナー。会社を守る。社長を守る。

セミナー報告

柏法人会青年部にて、法律的な観点から見た会社のリスクとリスクから会社・経営者を守る方法について解説しました。

  • 会社経営で発生する問題全体を理解する重要性
  • なぜ、法的なリスクを管理することが必要なのか。
  • 労働問題(残業代)の事例
  • 残業代対策の基本
  • 残業代対策のよくある間違い
  • 労働問題(解雇)の事例
  • 解雇対策の基本
  • 労働問題(解雇)の法的知識
  • 労働問題(労働組合)の事例
  • 労働組合対策の基本
  • 売掛金回収について
  • 売掛金回収の交渉方法
  • 売掛金回収の法的手続き
  • 許認可対策
  • 従業員の横領対策
  • 従業員の顧客引き抜き対策
  • 税務調査
  • 株主間紛争
  • 契約書について
  • 最後に(会社経営の目的)

セミナーに関連する質問と回答

Q 残業代で注意すべき事項は何ですか?
  • 雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、給与明細などの書類を整備しましょう。
  • 書類と実際の運用に異なる点がないかを検証しましょう。

【解説】

  • 残業代のルールには法律や過去の様々な裁判例があります。書面に記載をしたとしても書面通りになるとは限りませんので注意しましょう。
  • 適切に書類を作成しても実際の運用が書類の内容と異なっていては意味がありませんので注意しましょう。

参考情報:残業代の解説

Q 解雇で注意すべき事項は何ですか?
  • 解雇が有効となるハードルは法律上高いです。そのため、①普通解雇、②懲戒解雇、③整理解雇のどの方法を行う場合でも事前に専門家に相談してから行いましょう。
  • 従業員が退職届を作成することによる契約終了であれば問題となる確率は格段に低下します。従業員とよく話し合うことをお勧めします。

【解説】

  • 解雇が無効となった場合、①争っていた期間の賃金や慰謝料が認められたり、②従業員が職場に復帰したりします。

参考情報:解雇の解説

Q 労働組合に従業員が加入しました。注意すべき事項は何ですか?
  • 労働組合と書面の取り交わしをする際には慎重に中身を検討しましょう。取り交わした書面の内容について、個別の労働者に対してだけではなく、全従業員に対して同様の扱いをしなければならない可能性があります。
  • 労働組合員であることを理由とする不利益な取り扱いは禁止されていますので注意しましょう。
  • 労働組合との団体交渉を拒否することはできませんので誠実に対応しましょう。

【解説】

  • 従業員が労働組合に加入した場合、継続的な対応が必要となることが多いです。弁護士との顧問契約をするなどして継続的に適切な対応をすることが望ましいです。

参考情報:団体交渉・労働組合対応の解説

Q 売掛金回収で注意すべき事項は何ですか?
  • 早期に請求し回収を試みることが大切です。時間が経過すればするほど回収率は低下します。

【解説】

  • 以下の方法のうち、適切な方法を適切な時期に行いましょう
    ①自社で電話にて督促
    ②自社で手紙にて督促
    ③弁護士名で電話にて督促
    ④弁護士名で手紙にて督促
    ⑤弁護士名で裁判所に仮差押申立
    ⑥弁護士名で裁判所に民事訴訟申立
    ⑦弁護士名で裁判所に強制執行申立

参考情報:債権回収の解説

Q 許認可で注意すべき事項は何ですか?
  • 代表取締役が刑事事件で有罪判決を受けると許認可がなくなり事業続行が不可能となる可能性があります。
  • 業種によっては、代表取締役以外の取締役が刑事事件で有罪判決を受けると許認可がなくなり事業続行が不可能となる可能性があります。

【解説】

  • ①車で人に怪我をさせた、②大幅なスピード違反、③飲酒運転など車に関わる犯罪が危険です。事件発生当初から対応すれば解決の選択肢が広がることが多いです。事件を発生させてしまった場合、早めに弁護士に相談しましょう。
Q 従業員の横領対策で注意すべき事項は何ですか?
  • 2人以上が関わることにより、横領のリスクを下げましょう。

【解説】

  • 横領が疑われる場合、証拠隠滅をされないよう慎重に調査を行い、証拠を収集した上での対応を心がけましょう。
Q 税務調査で注意すべき事項は何ですか?
  • 業種によって指摘されやすいポイントがあります。顧問税理士に事前に確認するなどして適切な税務処理を心がけましょう。

【解説】

  • 税務署の判断が正しいとは限りません。争うときは徹底的に争いましょう。

参考情報:税務訴訟資料(国税庁)

Q 株主間紛争で注意すべき事項は何ですか?
  • 根本的な解決方法は株の買取です。株の買取を目指しつつも適法な会社経営を心掛けましょう。

【解説】

  • 適法な会社経営のためには株主総会の運営を適切に行うことが大切です。招集通知の作成、株主総会当日のシナリオの作成、株主総会議事録の作成など専門家と相談しながら進めていきましょう。

参考情報:株主間紛争の解説

Q 契約書で注意すべき事項は何ですか?
  • ひな型が自社に有利なものになっているかどうか一度確認しましょう。使っているひな型が自社に不利なものとなっているということも結構あります。

参考情報:契約書の解説

参考リンク