民法改正(相続編)

開催日時:
2019年09月24日 17:00 ~18:00
セミナー分類:
相続
主催:
TKC千葉会資産活用小委員会積水部会(TKC千葉会東葛支部)
講師:
小林 義和 小林 義和のプロフィール
対象者:
税理士

民法改正(相続編)

セミナー報告

TKC千葉会資産活用小委員会積水部会にて、税理士の先生向けに、民法改正(相続編)を解説しました。①相続法の改正と②税理士業務における注意点が主な内容です。

特に配偶者居住権を詳しく解説しました。参加者からもご質問を多数いただき、議論が深まったセミナーとなりました。

具体的には、次のような相続に関する改正法の重要ポイントを解説しました。

  1. 配偶者の居住権
  2. 自筆証書遺言の方式緩和
  3. 自筆証書遺言の保管制度
  4. 配偶者への自宅贈与優遇
  5. 預貯金の払戻し制度
  6. 遺留分制度に関する見直し
  7. 相続の効力等に関する見直し
  8. 特別の寄与の制度

セミナーを開催した背景と目的

高齢化社会の進展により、相続の問題がよりクローズアップされています。その中で、民法を中心とした相続法の大きな改正がありました。2019年1月からの段階的な施行です。

そこで、改正法の内容を確認して日々の業務にいかしていただきたく、本セミナーを開催しました。

セミナーの内容

1. 配偶者の居住権について

被相続人の持ち家に住んでいた配偶者の居住・生活を保護するための配偶者居住権を解説しました。

この権利を利用することにより、配偶者は居住を確保しつつ、生活に必要な相続財産を確保できます。

2. 自筆証書遺言の方式緩和について

自筆証書遺言を作成するときの方式が緩和され、より作成しやすくなったことを解説しました。

3. 自筆証書遺言の保管制度について

法務局で自筆証書遺言の保管ができるようになりました。保管制度を利用した自筆証書遺言は裁判所での検認が不要です。

4. 配偶者への自宅贈与優遇について

婚姻期間が20年以上の夫婦間において、居住用不動産を遺贈・贈与したときは、特別受益の持ち戻し免除の意思表示が推定されます。残された配偶者のための制度です。

5. 預貯金の払戻し制度について

預貯金の払戻しについて、次の2つの制度を解説しました。
① 家庭裁判所を利用した払戻し制度
② 家庭裁判所を利用しなくても払戻しできる制度

遺族の生活資金確保のため、預貯金を払い戻す必要があるときなどを想定した制度です。

6. 遺留分制度の見直しについて

① 従前の制度
遺贈等された財産の現物返還が原則でした。しかし、不動産が共有になってしまったり、株式の問題で事業承継がスムーズにいかなかったり等の問題がありました。

② 改正後の制度

遺留分は金銭で請求することになりました。あわせて遺留分の算定方法の見直し等も解説しました。

7. 相続の効力等に関する見直しについて

遺言等により承継された不動産について、登記の注意点を解説しました。承継した不動産は早めに登記手続きをとることが重要です。

8. 特別の寄与の制度について

被相続人の相続人でない親族が、無償で看護などをすることで、被相続人の財産の維持増加等に寄与をした場合に、相続人に金銭を請求できる制度ができました。特別寄与料といいます。

請求のための具体的な要件等も解説しました。

参加者の声

  • いろいろな点で改正があるのですね。勉強します。
  • よくわかりました。税理士業務に役立てていきたいと思います。
  • 改正がなされているところは、お客様に注意して説明していきたいと思います。

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