空き家の法的リスク(2019.2.3)

開催日時:
2019年02月03日 9:30 〜 12:00
セミナー分類:
不動産
主催:
不動産会社様
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール

空き家の法的リスク(2019.2.3)

セミナー報告

<講座内容>

空き家の法的リスクについてのセミナーに約20人の方にご参加いただきました。不動産コンサルティングの専門家の方と共に講師をさせていただきました。空き家・空き地に関する将来予測、空き地・空き家を持っている人がとるべき対策、相続問題、共有問題、損害賠償リスク、役所からの勧告などのリスク、固定資産税増加のリスク、売買が不可能となってしまうリスクなどについて解説しました。

本セミナーに関連する質問と回答

Q 空き家を放置するリスクにはどのようなものがありますか?
  • ①維持管理コストの発生、②固定資産税の増加、③火事や建物損壊による損害賠償責任の可能性、④価値の低下などのリスクがあります。

【解説】

  • 空き家については役所からの通知により固定資産税が最大で6倍となる可能性があります。
Q 空き家にしておく理由にはどのようなものがありますか?
  • 次のような理由があります。
    ①物置として必要だから
    ②解体費用をかけたくないから
    ③特に困っていないから
    ④将来自分や親族が使うかもしれないから
    ⑤好きな時に利用や処分ができなくなるから
    ⑥仏壇など捨てられないものがあるから
    ⑦更地にしても使い道がないから
    ⑧取り壊すと固定資産税が高くなるから
    ⑨古い、狭いなど住宅としての質が低いから
    ⑩リフォーム費用をかけたくないから
    ⑪他人に貸すことに不安があるから
    ⑫労力や手間をかけたくないから
    ⑬満足できる価格で売れそうにないから
    ⑭道路付けや交通の便が悪いから
    ⑮資産として保有しておきたいから
    ⑯満足できる家賃がとれそうにないから
    ⑰戸建を借りる人が少ないから
    ⑱中古戸建を買う人が少ないから

【解説】

  • 上記の理由があったとしても、空き家を放置したままでよいという場合ではないことが多いです。専門家に相談して方向性を検討しましょう。
Q 空き家の解決方法にはどのような方法がありますか?
  • ①維持管理、②賃貸、③売却、④有効活用などの方法があります。

【解説】

  • 有効活用には建物建替、駐車場としての貸付、土地としての貸付などの方法があります。
Q 不動産を共有にするリスクにはどのようなものがありますか?
  • ①全員の同意がないと不動産を有効活用できない、②全員の同意がないと不動産を売却できないなどのリスクがあります。

【解説】

  • 問題を解決するには共有物分割訴訟(裁判)を提起する必要があるなど、時間と費用がかかってしまいます。今後早期に売却予定があるなどの場合を除き、不動産を共有にすることはやめましょう。
Q 共有物分割訴訟とは何ですか?
  • 共有状態の解消を求める裁判です。①どちらかが共有持分を買取、②共同して売却、③(現物を分割できる場合には)現物を分割、という結論のいずれかになることが多いです。

【解説】

  • 共有物分割訴訟は専門的な裁判です。弁護士に相談しましょう。

参考リンク