株式会社ファルベ主催の相続・事業承継実務研究会にて、税理士の皆様を対象とした相続のセミナーを開催しました。
具体的には、次のような相続対策のポイントや、相続法と相続税法の違いを解説しました。
1. 税理士業務に役立つ相続法の基礎知識
① 遺産分割協議の法律実務
② 特別受益と寄与分の実務処理
③ 相続における借金の扱い
④ 遺言執行者の実務
2. 税理士が間違いやすい相続法のポイント
① 税務対策と法務対策の相違点
② 顧問先の社長の相続における注意点
③ 事例から学ぶ相続争いを避ける方法
3. 税理士が知っておくべき相続関連の法律知識
① 相続案件で税理士が損害賠償請求される具体例
② 税理士の遺産分割への関与と非弁行為との関係
セミナーを開催した背景と目的
相続対策といっても、税理士と弁護士とで対策方法が異なることがあります。相続でもめないようにする法務対策と、相続税を抑えたり相続税資金を準備したりする税務対策とで、内容が異なります。
そこで、民法と税法の違いや、相続法の基礎知識を再確認して相続対策でもめないようにしていただきたく、本セミナーを実施しました。
セミナーの内容
1. 税理士業務に役立つ相続法の基礎知識
遺産分割協議をする流れや手順について解説しました。
遺産分割協議は、判断能力がある法定相続人全員が合意しなければなりません。相続人のなかに、認知症で判断能力がない方や、未成年者、行方不明者がいるときには注意が必要です。
特別受益や寄与分を主張する相続人がいるときの処理方法や、被相続人に借金があったときの注意点についても解説しました。
2. 税理士が間違いやすい相続法のポイント
相続では、節税対策、納税対策、遺産分割対策の3つの対策を検討しなければなりません。
節税対策、納税対策を優先しすぎて遺産分割対策が進まず、相続争いに発展しないよう注意が必要です。
相続の税務と法務とでは、不動産の評価額や、相続財産の範囲のルールが異なります。
税務と法務で違いがあることを理解したうえで、相続案件に取り組む必要があります。
3. 税理士が知っておくべき相続関連の法律知識
税理士の先生方がトラブルに巻き込まれないように、相続案件で税理士が損害賠償請求されてしまった具体例をご紹介しました。
また、税理士として遺産分割協議に関与するときには、弁護士法第72条の非弁行為にならないように注意が必要です。そこで、非弁行為に該当する業務について解説しました。