いざという時のために備える労災対応の極意

開催日時:
2021年03月04日 16:30 〜 17:30
セミナー分類:
企業法務
主催:
よつば総合法律事務所
講師:
松本 達也 松本 達也のプロフィール
対象者:
企業様、士業様

いざという時のために備える労災対応の極意

セミナー報告

企業様や士業様を対象として、最近増えているご相談である労災対応の分野を解説しました。具体的には次のような内容です。

  1. 労災問題を今取り上げる理由
  2. 労災で企業に発生するリスクや責任
  3. 労災トラブルの注意点
  4. 企業としての対応方法

多くの企業様や士業様にご参加いただきました。

セミナーを開催した背景と目的

近年労災に関するトラブルが増えています。脳・心臓疾患や精神疾患の労災申請も増加傾向です。

労災は対応を誤ると会社の存続に関わってしまうこともあります。そこで、労災が関わる大きなトラブルをあらかじめ防ぐことを目的として、本セミナーを開催しました。

セミナーの内容

1. 労災問題を今取り上げる理由

最近の労災問題の傾向の特徴として、次の4つを解説しました。
① 脳・心臓疾患や精神疾患など、重大な結果に結びつく労災申請及び認定件数が増加
② 賠償金額の高額化
③ 新型コロナウイルス蔓延による労災認定件数の変動
④ メンタルヘルス問題の増加

2. 労災で企業に発生するリスクや責任

労災が発生してしまうと、会社には次のようなリスクがあります。
① 高額の賠償により会社の存続に関わる問題となること
② 紛争が長期化しやすく、精神的負担や解決コスト(時間や弁護士費用等)がかかること
③ 顧客への影響、退職者の増加、ブラック企業のレッテルによる応募者の減少など風評への影響があること

あわせて、法的にも刑事責任や民事責任、行政上の責任などが発生することを解説しました。
① 刑事責任(業務上過失致傷など)
② 民事責任(損害賠償責任など)
③ 行政責任(業務停止など)

3. 労災トラブルの注意点

① 労災隠しは絶対に避けること
② 労災保険ですべての損害が補償されるわけではないこと
③ 労災の支給決定までには時間がかかることが多いこと
④ 初期対応が今後の解決を左右すること
⑤ 従業員や家族(遺族)対応を慎重にすべきこと
⑥ 最近増えているメンタルヘルスの問題に丁寧に対応すること

労災トラブルは慎重な対応が必要です。悩んだら、企業側の労災トラブル対応に詳しい弁護士への相談をおすすめします。

4. 企業としての対応方法

① 安全衛生教育の徹底
② リスクアセスメントの実施
③ 危険余地活動の実施
④ メンタルヘルス対策の導入
⑤ 従業員の過剰労働の防止
⑥ 労災上積み保険への加入

労災上積み保険に加入すれば、高額の賠償責任により会社が倒産することなどを防ぐことができます。未加入のときは加入を検討することをおすすめします。

参加者の声

  • 労災事案で企業側がとるべき対応がよくわかりました。ありがとうございました。
  • 弊社は労災保険を扱っておりますので、お客様に保険をご紹介するときの参考資料とさせていただきます。わかりやすい説明をありがとうございました。
  • 労災上積み保険の重要性がわかりました。当社でも加入を検討したいと思います。

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