令和元年に民事執行法が改正され、債権回収の手段が増えました。
そこで、債権回収の基礎、民事執行法改正の概要や具体的な回収方法などを解説するセミナーを開催しました。
14社の企業様にご参加いただきました。
セミナーを開催した背景と目的
売掛金の回収ができないと会社経営に影響します。多額の滞納となってしまうと会社経営をゆるがすことになりかねません。
令和元年に民事執行法が改正されました。具体的には次のような制度の改正です。
① 財産開示手続きの改正
② 第三者からの情報取得手続きの新設
新しい制度を使うことにより、今まで回収が難しかった債権回収ができるかもしれません。そこで、知っておきたい法改正の内容をセミナーで解説しました。
セミナーの内容
1. 債権回収の方法
債権回収の方法には任意の交渉と裁判手続きがあります。各方法のメリットやデメリットを解説しました。
2. 強制執行の方法
強制執行とは、勝訴判決を得たり裁判上の和解が成立したにもかかわらず、相手がお金を支払わないときに、裁判所が強制的に実現する手続です。
強制執行は、対象とする財産によって次のようなものがあります。
① 不動産執行
② 動産執行(車などの高価なものに対する強制執行)
③ 債権執行(給与や売掛金などに対する強制執行)
どの財産にどの順番で強制執行をするかは専門的な判断が必要です。悩んだときは弁護士への相談をおすすめします。
3. 財産開示手続きの法改正
財産開示手続きとは、債権者が債務者の財産に関する情報を取得するための手続です。債務者が財産開示期日に裁判所に出頭し、債務者の財産状況を説明する手続となります。
令和元年の法改正のポイントは次の3つです。
① 財産開示手続きを利用できる人が拡大された
② 不出頭や虚偽陳述の罰則が強化された
③ 第三者の情報取得手続き(不動産や勤務先の開示)の前提として必須となった
財産開示手続きの実際の流れ、改正後の利用方法の具体例などを解説しました。
4. 第三者からの情報取得手続きの新設
次のような情報を取得する手続きが新設されました。
① 登記所から債務者の不動産に関する情報を取得する
② 市町村から債務者の給与債権(勤務先)に関する情報を取得する
③ 金融機関から債務者の預貯金債権を取得する
第三者からの情報取得手続きの実際の流れ、改正後の利用方法の具体例などを解説しました。