事業承継セミナー

開催日時:
2022年04月20日 15:00 〜 16:00
セミナー分類:
その他
主催:
千葉県損害保険代理業協会 東葛支部
講師:
大友 竜亮 大友 竜亮のプロフィール
開催会場:
三井住友海上火災保険株式会社柏支社
対象者:
代理店様向け

事業承継セミナー

セミナー報告

セミナー開催趣旨

千葉県損害保険代理業協会東葛支部様の総会において、事業承継の概要と事業承継のときに利用される保険商品についてお話をさせていただきました。

総会会場にいらっしゃった方と、オンラインでご参加いただいた方に、熱心にお話を聞いていただきました。

目次

  1. 事業承継とは
  2. 後継者不足の現状
  3. 事業承継の進め方
  4. 事業承継において考えることやすること
  5. 保険でできる対応

概要

まずは事務所と弁護士の紹介をしました。お客様の事業承継を提案し成功させ、一歩先を行く代理店になるためのセミナーです。

  1. 事業承継とは
    そもそも事業承継とは何でしょうか?

    事業承継とは、会社の経営について経営者が後継者に引き継ぐことです。昨今、事業承継が話題になっています。では、なぜ話題になっているのでしょうか?

    それは、中小企業の大廃業時代が到来するからです。

    次のデータを見ると、大廃業時代の到来といっても過言ではありません。

    ① 2025年までに70歳になる経営者 245万人
    ② そのうち後継者がいないと思われる企業 127万社
    ③ これらの企業の廃業による雇用喪失 650万人減
    ④ 約22兆円のGDPが失われる可能性
    ⑤ 2021年の企業の廃業・休業 約5万5千件

    巷で有名な廃業の例を紹介し、今後5年で多くの企業が経営者の交代のタイミングを迎えるという事実と、多くの中小企業が廃業の危機にさらされている事実から、円満な事業承継が解決策であることをあらためて強調しました。

  2. 後継者不足の現状
    千葉県の中小企業でも事業承継が加速しています。全国の社長の平均年齢は高齢化していますが、千葉県の社長の平均年齢はもっと高齢化しています。

    しかし、世代交代したくてもできない現実があります。事業承継したいけど、後継者不足が深刻化しており、廃業せざるを得ないと回答している経営者は50%、個人事業主に関しては70%にものぼり、死活問題となっています。

    子どもが継がないという裏側にある状況は、会社の従業員、役員、社外の第三者と、引継ぎ先もたくさんあるということです。

    事業承継はもはや第三者に引き継げるか(M&Aできるか)という視点から検討する時代です。

  3. 事業承継の進め方
    ① 専門家の関与が重要
    では、事業承継するためには具体的にどうすればいいのでしょうか?

    事業承継をしたい、もしくはする予定なら60歳までに専門家に相談することを強くおすすめします。専門家とは、弁護士、税理士、M&Aのアドバイザー、仲介会社、商工会議所(千葉県事業引継ぎ支援センター)などです。

    理由は次の通りです。

    • 事業承継は事前の準備が重要であることこと
    • 事業承継は準備に時間がかかること
    • 事業承継は法的な対策が必須だということ

    ひとりで考えても始まりません。「誰に事業承継すべきか?」というところから専門家と一緒に事業承継を考えることが重要です。

    事業承継は会社のまるごとの譲渡です。法律や税務の問題が不可避です。負債の解決、従業員の関係の解決、会社の価値の算定、事業譲渡におけるシナジーの見極め、事前の相続対策など、問題になる事項を具体的に解説しました。

    早期に相談すれば、様々な手立てを取ることが可能です。ひとりで考えていると、正確な情報が得られず思った道筋を描けない可能性や、早期に対応すべき事項に対応できず、手遅れになる可能性があります。専門家と一緒に時間をかけて策を練っていくのが事業承継では重要です。

    ② 早めの準備が重要
    では、事業承継の準備はいつからすればいいでしょうか。
    事業承継に必要な期間が3年以上と回答したのは、中規模企業(従業員20人以上)で90%、小規模事業者(従業員19人以下)で80%にのぼります。思い立ったらなるべく早く行動するのが大切です。

    ③ 経営者が行うこと
    では、経営者は何から始めればいいでしょうか?経営者が行う4ステップは次の通りです。

    ・家族に継がせるのかどうか決める
    ・専門家に相談する
    ・決算書(確定申告書)過去3年分など必要な書類の用意
    ・家族に継がせないときは、従業員や第三者への譲渡で譲れない条件を決める

    ④ その他
    補足として、M&Aにおいて考えること・やること、保険でできる対応をご紹介し、セミナーを締めくくりました。