自転車保険義務化!今こそ知っておきたい自転車交通事故のすべて

開催日時:
2021年12月23日 16:00 〜 17:00
セミナー分類:
交通事故
主催:
よつば総合法律事務所
講師:
粟津 正博 粟津 正博のプロフィール
松本 達也 松本 達也のプロフィール
開催会場:
オンライン(ZOOMでの開催)
対象者:
保険代理店様
受講料:

無料

自転車保険義務化!今こそ知っておきたい自転車交通事故のすべて

セミナー報告

セミナー開催趣旨

2021年12月23日、オンラインで保険代理店様を対象にしたセミナーを開催しました。

千葉市では、令和3年4月1日から「千葉市自転車を活用したまちづくり条例」が一部改正され、自転車保険等への加入が義務化されました。

また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨今自転車通勤を行う人も増加しており、通勤に伴う自転車事故も増加する可能性があります。

実際に次の疑問点をお持ちの方も多いと思います。
① 自転車保険加入の義務化とは?
② 自転車事故で後遺症が残った場合はどうなる?
③ 自転車事故の場合の被害者の補償は?
④ 自転車事故の加害者側の責任はどうなる?
⑤ 加害者が子どもの場合に親に責任は問えるのか?

今回のセミナーでは、自転車に関する交通事故を多数取り扱っている弁護士が、自転車保険加入義務化、自転車事故特有の問題点、高額賠償事例などを解説しました。

<講座目次>

  1. 自転車保険の加入義務化
  2. 最近の交通事故の傾向
  3. 交通事故の基本的知識
  4. 自転車交通事故に特有の問題点
  5. 自転車保険加入のすすめ
  6. まとめ

概要

1. 自転車保険の加入義務化

自転車保険加入義務化の対象地域を紹介し、千葉市は令和3年4月1日 から加入が義務になっていることをお伝えしました。

自転車保険の加入を義務とする背景は、高額賠償事例が増加していることです。具体的な事例を紹介し、解説しました。

2. 最近の交通事故の傾向

最近の交通事故の傾向で変化が生じている点を挙げました。

交通事故の発生件数は年々減少傾向にあること、死亡事故も減少傾向にあり、自転車交通事故も減少傾向にあることを解説しました。

3. 交通事故の基本的知識

交通事故の個別の損害の項目を解説しました。具体的には次の内容です。

あわせて、症状固定後遺障害を解説しました。

4. 自転車交通事故に特有の問題点

自転車交通事故に特有の問題点について次の内容を解説しました。
① 自賠責保険の適用がない
② 子供が事故を起こした場合、親が責任を負うことがある
③ 社員が事故を起こした場合、会社が責任を負うことがある
④ 独自の過失相殺ルールが存在する

① 自賠責保険の適用がない

自転車には自賠責保険の適用がありません。自賠責保険による後遺障害の等級認定を受けることは原則できません。後遺障害になることを被害者が自ら証明する必要があります。

あわせて、加害者に賠償するお金がない事案が多いことも解説しました。

② 子供が事故を起こした場合、親が責任を負うことがある

子供に責任能力がないときは、子供は責任を負いません。代わりに親が責任を負うことが多いです。

責任能力とは、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能のことです。小学校高学年が責任能力の有無を決める1つの基準です。

たとえば、幼稚園生が加害者の事故のときは、親のみが責任を負うことが多いです。他方、高校生が加害者の事故のときは、高校生本人のみが責任を負うことが多いです。

③ 社員が事故を起こした場合、会社が責任を負うことがある

社員が業務中に事故を起こしたときは、会社が責任を負うことが多いです。使用者責任といいます。

④ 独自の過失相殺ルールが存在する

自転車事故の過失割合を誰がどうやって決めるかを解説しました。

自転車と自動車の事故は、自動車同士の事故よりも、自転車の過失割合が低くなる傾向があります。

自転車と自動車の事故は、自動車の運転者よりも自転車の運転者の方が大怪我をする危険性が高いです。そのため、自転車の過失割合を小さくすることで、自転車の運転者を保護する傾向があるためです。

5. 自転車保険加入のすすめ

高額賠償事例を紹介しました。その後、講師が思う、必ずつけたい内容をお伝えしました。

最後に本日お話ししたことを改めて強調し、セミナーを締めくくりました。