保険代理店のための弁護士の上手な使い方(交通事故編)

開催日時:
2013年07月24日
セミナー分類:
交通事故
主催:
千葉県損害保険代理業協会北総支部
講師:
大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール
開催会場:
成田ビューホテル

保険代理店のための弁護士の上手な使い方(交通事故編)

セミナー報告

  • 第1 交通事故の現状
  • 第2 交通事故と弁護士との関わりにおける現状
  • 第3 損害項目について
  • 第4 代表的な傷病名について
  • 第5 質疑応答
  • 相手が無保険の場合の対応
    人身傷害保険・無保険車傷害保険・政府保障事業等の利用方法
  • 人身傷害保険先行と加害者の任意保険先行の順序関係
    特に過失相殺事案について
  • 紛争処理センターの状況
    解決までの期間、解決までの回数、紛争処理センターの利用をすべき場合とすべきでない場合など
  • 弁護士費用特約の利用が増えてきた背景
  • 申告外所得の証明の方法
  • 事故直後からの相談が重要な理由~事故直後の初動の間違いを後で修正することは極めて難しいこと等
  • 整骨院の評価
  • 損害率とのバランス
  • 後遺障害と通院回数の評価方法
  • よい整形外科の選び方~医師の対応がよいこと、スタッフの対応がよいこと、人気があること、待ち時間が少ないこと等
  • 後遺障害の自覚症状について良い例と悪い例

本セミナーに関連する質問と回答

Q 相手が任意保険無保険の場合、どのように契約者にアドバイスすればよいですか?
  • ①労災保険、②健康保険、③人身傷害保険、④無保険車傷害保険、⑤政府保障事業など他の利用可能な保険をアドバイスしましょう。

【解説】

  • 通勤中又は業務中の事故の場合、労災保険の利用をアドバイスしましょう。
  • 治療は健康保険の利用をアドバイスしましょう。人身傷害保険に加入している場合には人身傷害保険の利用をアドバイスしましょう。
  • 後遺障害が認定される等の事案の場合、無保険車傷害保険の利用の可能性があることをアドバイスしましょう。
  • 政府保障事業の利用の可能性があることをアドバイスしましょう。
Q 契約者に過失ある事案の場合、人身傷害保険先行と加害者任意保険先行はどちらがよいですか?
  • 最終的な示談の段階では、人身傷害保険先行がよいことが多いです。

【解説】

  • 契約者過失有の場合、人身傷害保険の示談を終了させてから加害者任意保険会社と示談した方がトータルの受領額が増えることが多いです。
  • 人身傷害保険と加害者任意保険の関係は複雑です。弁護士に相談しながら進めることをお勧めします。
Q 紛争処理センターではどの位の期間・回数で合意に至ることが多いですか?
  • 2回から3回位が多いです。

【解説】

  • 慰謝料のみが争いの事案の場合、1回で終了することもあります。
  • 過失割合や後遺障害等級が争いになるなど複雑な事案の場合、4回以上かかることがあります。
Q 紛争処理センターを利用した方がよい場合はどのような場合でしょうか?
  • 交渉では解決できないものの、裁判まではしたくないという場合です。

【解説】
紛争処理センターのメリットには次のような点があります。

  • 交渉に比べて高額の解決水準となることが多いです。
  • 裁判に比べて手続きが簡単です。
  • 最終的には裁定(決定)により、保険会社と合意をしないでも解決可能です。
Q 紛争処理センターを利用しない方がよい場合はどのような場合でしょうか?
  • 対立が激しく裁判でないと解決が難しいような場合です。

【解説】
裁判のメリットには次のような点があります。

  • 証拠がある場合、交渉と比べて高額な解決が可能です。
  • 個別の事実関係を一番反映した解決が可能です。
  • 最終的には裁判所の判決により、合意をしないでも強制的な解決が可能です。
Q 自営業の休業損害・逸失利益で申告外所得を証明するにはどうすればよいですか?
  • 通帳、帳簿、請求書、領収書などの証拠を集めましょう。

【解説】

  • 証拠があれば確定申告をしていない所得でも認められる可能性があります。
Q 整骨院に通院する場合の注意点は何ですか?
  • 医師の指示又は同意を取得しておきましょう。

【解説】

  • 整骨院に通院する場合、病院にも並行して通院することが必要です。
  • 整骨院のみへの通院の場合、後日の賠償交渉で大幅な減額となってしまったり、整骨院の施術費が支払われなくなったりしてしまいますので注意しましょう。
Q 後遺障害の自覚症状で注意すべき点はどのような点ですか?
  • 「寒いときに痛い」「首を動かすと痛い」などの記載は後遺障害が認定されにくくなります。

【解説】

  • 後遺障害は「常時」症状が残っていることが必要です。
  • そのため、「〇〇の時には症状がある」というような記載は後遺障害の認定の上でマイナス評価となる可能性が高いです。

参考リンク