弁護士・社労士が教えるよくある労働トラブル予防と解決の勘所

開催日時:
2016年06月17日
セミナー分類:
企業法務
主催:
社会保険労務士事務所柏ろうむサポート・よつば総合法律事務所
講師:
川﨑 翔 川﨑 翔のプロフィール
三井 伸容 三井 伸容のプロフィール
対象者:
会社経営者様や担当者様

弁護士・社労士が教えるよくある労働トラブル予防と解決の勘所

セミナー報告

社会保険労務士事務所と合同でセミナーを開催しました。

基本編として解雇や残業代、応用編として競業避止義務について具体的な事例を中心に解説しました。

セミナーを開催した背景と目的

最近ではインターネットで法的な知識にアクセスしやすくなり、労働者側の立場で依頼を受ける弁護士も増えました。そのせいか、従業員との紛争が発生する企業様が多くなっています。

そこで、よくある従業員とのトラブルについて、その基本的な知識と対応策をお伝えしたくセミナーを開催しました。

セミナーの内容

1. 解雇の事例と解説

普段からAさんは勤務態度が不真面目でした。ある日、仕事のやり方を社長が注意したところAさんが逆上します。

売り言葉に買い言葉で社長も色々と言ってしまいます。Aさんは「もうこんな会社で働けるか!」と捨て台詞を残していきます。その日からAさんは出勤しなくなりました。

その後、弁護士から解雇を撤回しろという通知がきます。解雇したつもりはなかったので無視していたところ、裁判を起こされてしまいました。

上記の事例について、次のようなポイントを解説しました。
① 安易に解雇ととられるような言動はしないこと
② 本当に社員に辞めて欲しいのであれば、注意や指導などのステップを踏むこと
③ 問題社員への対応を放置せず、適切な対応を早めにとること

2. 残業代の事例と解説

いつも遅くまでBさんは会社に残っています。同じ業務をしている他の社員はそこまで残っていないので、Bさんは仕事の効率が悪いです。

仕事ぶりをよく観察すると、昼間は仕事をさぼっていて、夜に仕事をしています。

朝も必要ないにもかかわらず早くきて朝食を食べたり、インターネットを見ています。

結局Bさんは会社を辞めました。その後、今までの残業代を支払ってほしいと弁護士名での通知が会社に届きました。

上記の事例について、次のようなポイントを解説しました。
① 実際の勤務時間の証拠が重要であること(PCログ、タコグラフ、GPS、レジの記録など)
② 残業代を請求してきた社員の問題を解決するだけでなく、他の社員にも同様の問題が発生しないかどうかを検討すること
③ 不必要な残業を防止する制度だけではなく、社内での日々の運用体制まで確認すること

3. 競業避止義務の事例と解説

敏腕営業マンのCさんが最近退職しました。自社の取引先にはCさんが新たに開拓した取引先が多数あります。

Cさんは退職後に同業他社を立ち上げ、自社の顧客を奪っているようです。

上記の事例について、次のようなポイントを解説しました。
① 入社時や退社時に競業避止義務の誓約書の作成を検討すること
② 就業規則に競業避止義務の規定を入れることを検討すること
③ 競業避止義務の判断は難しいので、専門家への相談が望ましいこと

参加者の声

  • とても勉強になりました。
  • 具体例が中心でわかりやすかったです。
  • 何かあったら講師に相談したいと思います。

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