内容
「ペット事業者様向け書込み削除と誹謗中傷対策セミナー」というテーマで、ペット関連事業者様のトラブル、特に誹謗中傷の件を中心に解説しました。たくさんのペット関連事業様にご参加いただきました。
概要
- コロナ禍におけるペットブームが業界にもたらした影響
- ペット事業者様が抱える事業上でのトラブル
- Google口コミへの対応策
- 当事務所でサポートできること
1 コロナ禍におけるペットブームが業界にもたらした影響
ペット新規飼育世帯数は、新型コロナウイルスの影響で自宅時間が増えたことに伴い2020年にかけて増加しました。新型コロナウイルスの影響が弱まってきた2022年後半からは徐々に減少しています。
他方、動物病院の新規開設は現在まで微増傾向で、ペット・ペット用品販売額も増加傾向です。
今後も、コロナ禍需要が減少したことにより、ペット飼育数は減少すると予想されます。ペット飼育数の減少に伴いペット関連事業者様の売り上げ減少も予測されます。
そのため、より多くの顧客から選ばれる「競争力」を得る必要があります。
競争力をつけるために、①経営に専念できる環境を整えたり②口コミ対策を強化したりすることが重要です。
2 ペット事業者様が抱える事業上でのトラブル
(1)総論
ペット事業者様が抱えるお客さんとのトラブルは、クレーム、債権回収、動物咬傷、誹謗中傷などがあります。また、従業員とのトラブルは、残業代請求、解雇、ハラスメント、労災、誹謗中傷などがあります。
誹謗中傷は、お客さんから行われることも従業員から行われることもあります。
(2)クレーム対応・同意書
動物病院からの具体的相談事例をもとに、入院や手術の際に取り交わす同意書作成時の注意点を解説しました。
過去の裁判例などからすると、現状盛り込むべき事項は次の通りです。
①病名と症状
②手術名と手術予定日
③麻酔の方法・内容及び麻酔によるリスク
④手術の必要性
⑤手術をしない場合の経過予測
⑥手術の危険性及び合併症の有無とその内容
⑦他の治療方法との比較
⑧予後および後遺症
⑨通常は発生しないが起こり得る重大な危険性
⑩同意欄
(3)労務トラブル・残業代請求
動物病院からの具体的相談事例をもとに、残業代請求のトレンド、労働基準法改正が与える影響、具体的なチェックポイントなどを解説しました。
残業代請求は事前の対策が何よりも重要です。今のまま会社が残業代請求を受けた場合どのくらいのリスクがあるか心配な企業様は、トラブルに発展する前に弁護士への相談をおすすめします。
3 Google口コミへの対応策
(1)クチコミと集客に与える影響
口コミサイト・インフルエンサーマーケティングに関するアンケート結果をもとに、利用したことがないサービスを購入する際、ネットの口コミを確認する、もしくは確認することの方が多いお客様は全体の約85%に及ぶこと、お客様が口コミを確認してサービスを選ぶ時代になってきていることを説明しました。
さらに、同様のアンケート結果をもとに、口コミ等がよくなかった場合は、購入取りやめ、もしくは取りやめることが多いお客様は全体の約76%にも及ぶこと、反対に購入を取りやめないと回答した方は0.4%であることを説明しました。
このように、悪質クチコミが、潜在顧客に与える影響は大きいです。
(2)Googleマップの口コミと検索順位の関係(ローカル検索結果のランキング)
具体的な検索結果を踏まえて、ローカル検索結果の仕組みとクチコミの関係について説明しました。具体的には次のような内容です。
①ローカル検索結果のランキングは、関連性、距離、視認性の高さの3つの要素が重要
②視認性の高さとは知名度のことで、よい評価のクチコミが複数あると有利
③クチコミは、関連性と知名度にかかわってくること
④見返りを付与してクチコミを依頼した場合はペナルティがあるので行わないこと
(3)Googleマップの口コミ対策
Googleマップでクチコミを増やすための方法と投稿されたクチコミへの対応方法を具体的な事例を交えて解説しました。
①よいクチコミを増やすにはお客様のストレスポイントを分析して見直しすることが重要
②お客様にクチコミ依頼をするための業務フローの構築の必要性
③クチコミを記入してもらうためのサポートツールの作成が効果的であること
④投稿されたクチコミに対しての返信は重要であること。ただし、機械的にすべて返信するのは得策ではなく、クチコミ内容に応じて、削除・返信・放置の方針選択が必要なこと。返信する場合は返信内容も重要であること
(4)Googleマップと口コミ/削除すべき口コミ
次のような投稿は削除すべきであることを説明しました。
①社会的評価の低下がある投稿
②具体的な事実が挙げられている投稿(事実摘示)
③具体的な事実が真実ではない投稿
名誉毀損に該当するようなクチコミを放置することは、企業イメージの永続的な低下になるのでお勧めできないこと、早めに対処して最小限度の影響に抑えることが重要であることも解説しました。
(5)事例から学ぶ削除の基準
具体的な事例を3つ紹介しました。事例ごとに判断のポイントを指摘したうえで、どのような事例であれば投稿を削除できるのかを説明しました。
(6)Googleの口コミ削除申請の方法
ビジネスプロフィールのオーナー権限から削除申請をすることがおすすめであることを説明しました。
そのうえで、具体的事例を踏まえて、名誉毀損の投稿がなされた場合にどのようにGoogleに対して削除申請を行うか説明しました。
(7)悪質な口コミや書き込みの根本的な原因と対応策
悪質なクチコミは、患者さんや従業員によってなされるケースが多いこと、患者さんとの関係及び従業員との関係でどのようにすればトラブルを防止できるのか等を解説しました。