保険代理店様向けに「過失割合を有利に交渉するための7つのポイント」というテーマでセミナーを実施しました。
具体的には、交通事故の過失割合について、次のとおり解説しました。
- 私は絶対わるくない!?
- 過失割合は誰がどうやって決めるのか
- 代理店様が知っておくべき過失割合の基本ルール
- 典型的事故態様と過失割合
- 過失割合の決め手となる証拠の収集
- 過失割合の裁判実務のポイント
- 過失割合が有利になった解決事例
セミナーを開催した背景と目的
保険代理店の皆様から交通事故の過失割合についてご質問いただくことが多いです。そこで、代理店様向けに、過失割合を有利に交渉するためのポイントを解説しました。
たくさんの代理店の皆様にご参加いただきました。
セミナーの内容
1. 私は絶対わるくない!?
交通事故の被害にあったとき、自分には全く責任がないと思う事故でも、過失割合が問題になるケースがあります。
追突や、信号無視、センターラインオーバーの事故であれば被害者側の過失はないことが多いです。他の事故態様の場合には、過失割合の争いに備えて証拠を確保しておいたほうがよいです。
2. 過失割合は誰がどうやって決める?
交通事故の過失割合は、警察や保険会社が決めるものではありません。
過失割合は当事者の合意で決めるのが原則です。当事者の話し合いで決まらないときは裁判所で過失割合を決めることもあります。
3. 実際の裁判はどのように進むのですか?
過失割合は、事故状況によって決まります。
裁判における過失相殺率の認定・判断基準を示した「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準(別冊判例タイムズ38号)」という本に記載の基準をもとに、過失割合を検討するのが一般的です。
4. 典型的事故態様と過失割合
たとえば、信号機のある交差点で、直進車と対向車線の右折車が交差点内で衝突した事故で、双方の信号機がともに青色の場合、直進車:右折車=20%:80%が過失の基本割合となります。
この過失割合から、速度違反や、徐行なし、ウインカーなし、酒気帯び運転などの個別事情があれば割合を修正することになります。
5. 過失割合の決め手となる証拠の収集
過失割合を有利に交渉するには、次のような証拠がないか検討しましょう。
① 交通事故証明書を取得する。
② 警察が作成した刑事記録を取得する。
③ 事故時に目撃者がいれば名前と連絡先を聞いておく。
➃ 事故車両の損傷部分の写真を撮影しておく。
⑤ ドライブレコーダーが相手車両にあるか確認して、あれば写真を撮影しておく。
⑥ 周囲に防犯カメラがないか確認する。
⑦ タイヤ痕や破片落下物があれば、事故直後の現場写真を撮影しておく。
6. 過失割合の裁判実務のポイント
裁判で過失割合が争点になった場合は、別冊判例タイムズ38号の確認に加えて、同じような事故態様の過去の裁判例をリサーチするのが大切です。