弁護士と共に考える~“争続”にならないための相続対策

開催日時:
2015年06月27日
セミナー分類:
相続
主催:
武蔵野タワーズ団地管理組合
講師:
前田 徹 前田 徹のプロフィール
対象者:
武蔵野タワーズの居住者

弁護士と共に考える~“争続”にならないための相続対策

セミナー報告

東京都武蔵野市にある「武蔵野タワーズ」の管理組合様が主催する居住者向けの定期勉強会で、円満な相続となるための相続対策についてお話させていただきました。

土曜日のお昼にもかかわらず、20名ほどの方にご参加いただきました。

具体的には、次のような内容を解説しました。

  1. 数字から読み取る相続問題の現状と今後の展望
  2. 相続でもめる典型例
  3. 相続の基本知識
  4. 遺言書作成のポイント(Q&A方式)
  5. 相続問題で誤解されやすいポイント
  6. 具体的なケースに応じた相続対策

セミナーを開催した背景と目的

東京都武蔵野市にある「武蔵野タワーズ」の管理組合の方から、居住者向けの定期勉強会での講師の依頼を受けました。

居住者には、相続対策に興味がある方が多いというお話を伺いました。そこで、「争続」にならないために知っておいていただきたい相続対策のポイントをお話しました。

特に、参加者に相続問題をより身近に感じていただきたいと思い、具体的な事案を使って、Q&A方式も取り入れながら、相続対策を解説しました。

セミナーの内容

1. 数字から読み取る相続問題の現状と今後の展望

司法統計高齢社会白書のデータを元にして、次の点を解説しました。
① 裁判所に持ち込まれる相続の紛争は増加傾向にあること
② 資産家の家族よりも、遺産の価額が5000万円以下の家族の紛争が大多数であること
③ 相続問題は身近な問題であること

2. 相続でもめる典型例

弁護士の視点から、相続でもめる典型例を3つ紹介しました。
① 子のいない夫婦の相続の事例
② 遺産のほとんどが不動産の相続の事例
③ 介護の問題が絡む相続の事例

3. 相続の基本知識

相続にまつわる法律上の制度について、次の点を解説しました。
① 相続人は誰になるのか?
法定相続分の割合はどうなるのか?
遺留分とは何か?

4. 遺言書作成のポイント(Q&A方式)

遺言書を作成する際に気を付けるべきポイントについて、次のような質問に回答しました。
① 「私たちの財産は全て〇〇に相続させる。」と夫婦で1通の遺言を書き、夫婦で一緒に署名して、それぞれ実印を押して作成した遺言書は有効ですか?

② 「私の財産は全て〇〇に相続させる。」とパソコンで遺言を作成して、最後に手書きで署名と捺印をした遺言書は有効ですか?

③ 証人が2人必要と聞きましたが、周りにお願いできる人がいないときはどうすればよいですか?

④ 体力的に公証役場に行けないときは、公正証書遺言を作れませんか?

⑤ 母(存命中)が公正証書を作ったようですが、どのような内容なのか、娘の私が公証役場で確認できませんか?

⑥ 公正証書遺言を作ったら、そのあとに自筆証書遺言を作ることはできなくなりますか?

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5. 相続問題で誤解されやすいポイント

負債の相続について、一般的に誤解されやすい次の点を説明しました。
① 負債の相続の一般的な法律上のルール
② 相続放棄と相続分の放棄は違う制度であること

6. 具体的なケースに応じた相続対策

具体的なケースに応じて、次のような相続対策を解説しました。

① 子のいない夫婦の相続
  • 夫婦それぞれ、自分が死亡したときには、他方が全財産を相続する旨の遺言書を作成する。
② 遺産のほとんどが不動産の相続
  • 遺言書を残す。たとえば、タワーマンションは奥様と娘が相続し、預金は息子が相続するという遺言書を作成する。
  • 生命保険を活用する。
③ 介護の問題が絡む相続
  • 介護してくれた相続人に多くの財産を相続させる遺言書を作成する。
  • 実際に介護している相続人は、介護の内容が分かる記録を作成する。

参加者の声

  • 相続でもめるのは、財産が多くある家庭で、我が家には関係がないと思っていました。今日の話を聞いて、相続対策の大切さを実感しました。
  • 具体例が多くてわかりやすかったです。

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