働き方改革に伴う法改正と派遣業への影響について
- 開催日時:
- 2019年09月25日
- セミナー分類:
- 企業法務
- 主催:
- 社会保険労務士の先生方の自主勉協会
- 講師:
- 三井 伸容 三井 伸容のプロフィール
- 開催会場:
- パレット柏
働き方改革に伴う法改正と派遣業への影響について
本セミナーに関連する質問と回答
- Q 派遣労働者の同一労働同一賃金とは何ですか?
- A 「派遣労働者の同一労働同一賃金」は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム労働者)と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消すること等を目指すものです。
- Q 派遣元はどのような対応を取ればよいのでしょうか?
- A 派遣先スタッフの待遇について、以下のいずれかの方式を選び、それにより公正な待遇を確保する必要があります。(労働者派遣法30条の3、30条の4)
①派遣先均等・均衡方式…派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇
②労使協定方式…一定の要件を満たす労使協定による待遇 - Q 労使協定方式とはどのような方法ですか?
- A 過半数労働組合又は過半数代表者(過半数労働組合がない場合に限ります。)と派遣元事業主との間で一定の事項を定めた労使協定を締結します。労使協定で定めた事項を遵守しているときは、一部の待遇を除き、その労使協定に基づき待遇が決定されることとなります。
なお、労使協定の内容が不適切な場合や労使協定で定めた事項の違反がある場合は、労使協定方式が無効となり、派遣先均等・均衡方式が適用されますのでご注意ください。
- Q 派遣先均等均衡方式とはどのような方法ですか?
- A 派遣先に雇用される通常の労働者と派遣労働者との間の待遇の均等・均衡を図る方式をいいます。
派遣労働者及び派遣先の通常の労働者の職務の内容(※1)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲(※2)その他の事情を考慮して、不合理と認められる相違を設けてはなりません(労働者派遣法30条の3第1項)。
派遣労働者と派遣先の通常の労働者の職務の内容が同一であり、その職務の内容及び配置の変更の範囲が当該派遣終了までの間も同一と見込まれる場合は、正当な理由がなく、派遣先の通常の労働者より不利な待遇としてはなりません(同2項)。
※1 職務内容…「業務の内容」+「責任の程度」をいいます。
※2 職務内容・配置の変更範囲…「人材活用の仕組みや運用等」をいいます。 - Q 労使協定方式と派遣先均等均衡方式、どちらが実際使われているのでしょうか?
- A 独立行政法人労働政策研究・研修機構 派遣労働者の同一労働同一賃金ルール施行状況とコロナ禍における就業状況に関する調査によれば賃金決定方式は「労使協定方式」が8割以上を占めるとされています。
労使協定方式を選択する理由として、以下の点が挙げられます。
・派遣先ごとに待遇が異なると管理が困難
・派遣先均等・均衡は制度が複雑で、派遣先からの情報提供も必要なため、派遣先の理解が得にくい