実務に役立つ!事例で考える労働トラブル予防・解決のポイント
- 開催日時:
- 2018年12月15日
- セミナー分類:
- 企業法務
- 主催:
- 社会保険労務士の先生方の自主研究会
- 講師:
- 三井 伸容 三井 伸容のプロフィール
実務に役立つ!事例で考える労働トラブル予防・解決のポイント
本研修に関連する質問と回答
- Q 問題行動・能力不足の従業員への対応として「注意指導が必要」と聞きました。具体的にはどのように行えばよいですか?
- A ケースにもよりますが、次のような点に注意しましょう。
①具体的にどのような事実が問題になっているのかを明確にすること②可能な限り、事実を事後的に検証可能な形で記録にすること。特に、顧客からのクレームなど、会社以外の第三者から問題として指摘されている証拠がないか、問題を具体的な数値としてわかりやすく示すことができないか等を検討すること。
③問題となる事実だけではなく、それに対して会社が指導したこと、指導内容、それに対する従業員の反応(事実に関する認識や指導に対する受け止め方、反省の有無等)もセットで記録化すること
④改善してほしいという気持ちを忘れないで注意指導すること。「解雇のための証拠づくり」という気持ちが強いまま対応してしまうと、客観的に見て不十分な指導内容になることがあります。
- Q 人事労務トラブルが発生した場合、会社側で注意すべき点としてどのようなものがありますか?
- A 解雇、残業代、労災など、トラブルの内容によっても大きく変わりますが、一般的な注意点は次の通りです。
①労働者側と会社側双方の強みと弱みを把握すること
事実関係、法的な見通しを正確に把握する必要があります。また、当事者の現在の状況(例:従業員側の経済状況、再就職の有無、会社側の業務内容、経営状況等)も交渉に影響を及ぼすことがあります。可能な限り把握するとよいです。
②会社の将来にとって一番良い解決が何なのか考えること
人事労務トラブルが起きた場合、他の従業員もそのことを知っており、会社の対応を注視している場合は珍しくありません。トラブルの相手方である従業員以外にも同じような働き方や労務管理をしている従業員がいると思います。そのため、目の前の従業員への対応を誤ると、他の従業員へ問題が波及することもあります。
トラブルが激化した結果、労働基準監督署や監督官庁などの行政への通報されたり、マスコミ、SNS等で取り上げられてしまうこともあります。
会社側の立場では、目の前の従業員との勝ち負けだけにこだわらず、上記のような視点で会社にとってベストな解決なのかを検討する必要があります。