従業員の労務管理対応について、オンラインセミナーを実施しました。村岡つばさと小西姫が講師を務めました。内容は次のとおりです。
- 問題社員対応の全体像と難しさ
- 解雇のリスクと裁判例
- 採用時における工夫
- 類型別の問題社員対応
- 退職勧奨の進め方
大勢の皆様にご参加いただきました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
セミナーを開催した背景と目的
近年、慢性的な人手不足を背景に、企業における労務トラブルは増加・複雑化しています。
特に、問題のある従業員への対応については、「注意指導をしても改善しない」「辞めさせたいが、解雇ができない」「対応を誤って紛争に発展してしまった」といったご相談を多くいただく状況にあります。
実務上、労務トラブルの多くは、採用段階でのミスマッチや、初期対応の遅れに起因しています。しかしながら、解雇や懲戒処分は法的ハードルが非常に高く、企業が「常識的には当然」と感じる対応であっても、裁判では無効と判断されるケースが少なくありません。
そこで本セミナーでは、問題社員が生まれる背景や解雇、懲戒処分の法的リスク、採用時・在職中・退職局面における実務対応といった点について、使用者側で労務問題を多数取り扱ってきた弁護士の立場から、基礎からわかりやすく解説することを目的として開催いたしました。

セミナーの内容
具体的な研修内容は次のとおりです。
1. 問題社員対応の全体像と難しさ
「労務トラブルの約9割は採用に起因する」という実務感覚を踏まえ、問題社員が生まれる典型的なパターンや、企業が陥りがちな誤解について解説しました。
また、問題社員は一様ではなく、不完全な労務提供型、勤務態度不良型、能力不足型、ハラスメント型など、類型ごとに対応を変える必要がある点をお伝えしました。
2. 解雇のリスクと裁判例
裁判例を用いながら、実務上解雇がどれほど厳しく判断されているかを解説しました。
痴漢行為、不正請求、長期間にわたるパワハラといった、一見すると「解雇は当然」と思われがちな事案でも、裁判所が解雇を無効と判断した実例をご紹介し、企業側が敗訴した場合の金銭的・実務的ダメージをお伝えしました。
3. 採用時における工夫
問題社員対応の第一歩として、採用段階での工夫の重要性を取り上げました。
試用期間の設定や有期契約社員としての採用、採用面接時の質問方法など、将来的なリスクを軽減するための具体的なポイントを、実際に使用できる書式例とともに解説しました。
4. 類型別の問題社員対応
遅刻・欠勤が多い従業員、勤務態度不良・能力不足の従業員、ハラスメント行為者などについて、注意指導の進め方や懲戒処分を行う際の注意点、退職勧奨を検討すべきタイミングなどを、段階ごとに解説しました。
特に、注意指導の「積み重ね」の重要性と、記録化の必要性については、実務上非常に重要であることをお伝えしました。

5. 退職勧奨の進め方
解雇に代わる現実的な手段としての退職勧奨について、その法的位置付けやNG対応、進め方の注意点等を解説しました。
退職勧奨が違法・無効とならないためのポイントや、退職合意書の重要性についても具体的に説明し、実務でそのまま活用できる内容をお伝えしました。
