そんなとき、顧問先の問い合わせに即対応できる税理士が知っておきたい倒産・廃業時の実務
- 開催日時:
- 2009年10月22日
- セミナー分類:
- 企業法務
- 主催:
- 千葉県税理士会松戸支部
- 講師:
- 大澤 一郎 大澤 一郎のプロフィール
そんなとき、顧問先の問い合わせに即対応できる税理士が知っておきたい倒産・廃業時の実務
本セミナーに関連する質問と回答
- Q 中小企業の法人の破産で事前に検討すべき項目にはどのようなものがありますか?
- 次のような検討事項があります。
①社長の住む場所を今後どうするのか?
②社長の今後の収入をどうするのか?
③今やっている仕事をどうするのか?
④社長個人の借入をどうするのか?
⑤従業員をどうするのか?
⑥取引先との関係をどうするのか?
⑦連帯保証人がいる場合、連帯保証人との関係をどうするのか?
⑧車が必要な場合、車をどうするのか?
⑨破産以外の選択肢はないのか?
⑩破産をしない方がよい場合ではないか?参考情報:会社をたたむ時、検討すべき10項目
- Q 法人を破産する場合、従業員はどのようにすればよいですか?
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- 中小企業の場合、破産を外部に表示する段階で一斉に従業員を解雇することが多いです。
【解説】
- 破産を検討していることを従業員に伝えると、従業員が外部に情報を漏らしてしまいトラブルになることがあります。できるだけ従業員には直前まで破産の事実を伝えないことが大切です。
- Q 従業員が解雇になって未払の賃金がある場合はどうなりますか?
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- 会社に財産が残っている場合には比較的優先して支払がなされます。他方、会社に財産が残っていない場合には国が立替を行う制度があります。
【解説】
- 独立行政法人労働者健康安全機構が立替払い制度を行っています。給与の全額ではありませんが、給与の一部が立替払いされることが多いです。
- Q 取引先が倒産しそうです。倒産前に債権回収をするにはどうすればよいですか?
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- 正式な裁判をしていては間に合わないことが多いです。直接交渉や仮差押などでの解決を検討しましょう。
【解説】
- 正式な裁判をして裁判に勝てば、取引先の財産を差押することが可能です。しかし、裁判は時間がかかりますので裁判中に相手が倒産してしまった場合、債権回収は困難となってしまいます。
- そのため、正式な裁判ではなく直接交渉での回収を試みることが望ましいです。具体的には①抵当権などの担保設定、②連帯保証人の設定、③相手の財産を受け取って回収などの方法です。「相手の財産」には不動産、車両や高価な物品、売掛金などがあります。
- 裁判所の手続を利用する場合でも、通常の裁判ではなく仮差押を検討しましょう。仮差押をした上で交渉をする場合、早期に債権回収ができることもあります。
参考情報:債権回収の解説
- Q 倒産・廃業についての相談を弁護士にする場合、どのタイミングがよいですか?
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- どのようなタイミングでも大丈夫です。もっとも、早期にご相談いただいた方が選択肢が増えることが多いです。
【解説】
- 早期のご相談の場合、破産に至らずに解決ができたり、破産にはなっても従前の仕事を一部続けられたりすることもあります。