「ちば高次脳機能障害者と家族の会」の定例会で、交通事故と高次脳機能障害のテーマでセミナーを実施しました。
具体的には、弁護士業務、交通事故による高次脳機能障害、成年後見制度を解説しました。
1. 弁護士業務について
① 弁護士の仕事
② 弁護士の日常
③ 弁護士への相談方法
2. 交通事故と高次脳機能障害
① 高次脳機能障害で後遺障害等級が認定される条件
② 交通事故の損害賠償で重要なこと
3. 成年後見制度について
① 成年後見制度
② 成年後見人の職務
セミナーを開催した背景と目的
「ちば高次脳機能障害者と家族の会」は、高次脳機能障害をもつ当事者とそのご家族が、日常生活で困っていることや悩みごとを話し合ってお互い支え合う活動をしている会です。
定期的に開催している定例会で、家族の会からのご質問にお答えする形で、①弁護士業務、②交通事故による高次脳機能障害、③成年後見制度を解説しました。
セミナーの内容
1. 弁護士への相談方法
交通事故でけがをしたときは、いつ弁護士に相談したほうがよいかを解説しました。
事故直後でもよいので、悩みは早めに弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士に依頼するかは別にして、早い時期に悩みごとを相談すると適切な補償をもらえる確率が上がります。
2. 高次脳機能障害で後遺障害等級が認定される条件
交通事故で高次脳機能障害となったときは、後遺障害の等級認定を申請します。
等級認定を受けるには、原則として次の3つのポイントを満たす必要があります。
① 事故後に意識障害があること
② 頭部外傷の傷病名で診断されていること
③ 脳損傷があることが画像所見上わかること
3. 交通事故の損害賠償で重要なこと
交通事故の被害者が適切な賠償金額を受けるには、適切な後遺障害等級を認定してもらう必要があります。
高次脳機能障害の後遺障害等級は、程度に応じて第1級、2級、3級、5級、7級、9級、12級、14級、非該当の可能性があります。
後遺障害等級の違いによって、賠償金額に数百万円から数千万円もの差がでることもあります。弁護士のサポートを受けながら等級認定の申請をして、適切な等級認定を受けることが大事です。
4. 成年後見制度について
成年後見制度とは、本人の判断能力が精神上の障害により不十分な場合に,本人を法的に保護して支えるための制度です。
成年後見人は、被後見人のご家族がなることもあれば、弁護士などの専門職がなることもあります。
成年後見人の基本的な職務は①身上監護と②財産管理です。被後見人の財産を調査したうえ、被後見人の財産を管理して、管理状況を裁判所に定期的に報告します。